MRの転職先はどこがいい?40代の転職は可能?有利な転職先をデータから分析してみた
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、何かと動きの多いMR業界。
複雑な社会情勢の中で転職を考えるMRも少なくありません。
MRとしてスキルアップを目指す方、他の業界で活躍を目指す方、たくさんいらっしゃいます。
40代となり、今までのスキルを活かして転職活動される方も増えています。私ダイスケも40代での転職も経験しております。
今回は、実際にMRの転職について、社会の動きも踏まえて考察していきたいと思います。
MRの転職先はどこがいい?MRに人気の転職先は?40代は可能?
MRが転職を検討する場合、自身のスキルを活かした転職先を探すことが一般的となっています。
MRとしての経験を活かそうとするのであれば、そのままMRとして働くことが一番でしょう。同じ業務内容で年収が上がったり、自身の経験を高く評価してくれる企業があるのであれば、転職したいと考えるのではないでしょうか。
また収入面や働きやすさなどを考えて「医療機器メーカー」「薬剤師」を選ぶ方も少なくありません。
さらに、MRでの営業経験を活かして、そのまま別の業界で営業活動をしたり、マーケティング企業に転職するという方も増えています。
MR
MRが別の企業でMRを行うということは、一番多い転職先であると言えます。
これはMR業界に限ったことではありません。
自身のスキルを発揮させやすく、また採用する企業側にとっても即戦力を確保することができるメリットがあります。
ただ、30代や40代で他社に転職する場合、収入の減少が一番の懸念材料となります。
30代を超えると年収1000万円を超えることが多いですが、転職すると数百万円レベルで収入が下がってしまうこともあります。
単に「現在の職場が嫌で…」という理由ならそれでもいいのかもしれませんが、収入アップを狙っているのであれば、準備とタイミングが重要になります。
MRからMRへの転職で多くみられるルートは、
- 他社からのオファー
- 別のMRからの紹介
- 転職サイトを利用する
という3つの方法です。
MRとして働く人材は年々減少していることが分かっていますから、常日頃から人脈を作っておくことは重要なことになります。
MRだけではなく、製薬会社や医療関係者など、どこからどのような話が舞い込むことになるか分かりません。
そのような人脈作りが苦手だという方であれば、迷わず転職サイトを活用することがベストです。
現在のMR転職の状況を、肌で実感しているキャリアコンサルタントに尋ねることが一番でしょう。
臨床開発モニター(CRA)
「臨床開発モニター(CRA)」はMRの転職先として、注目されている職種になります。
特にMRのガツガツした営業スタイルが肌に合わなかったり、度重なる転勤に嫌気が指している方の転職先として、とても人気があります。
一般的には治験に関わる仕事になりますから、営業ではなく新薬開発に関わりたいという方にはおすすめできる業務になります。
ただし、転職の難易度は高いと考えられており、薬剤に関する知識はもちろんのこと、理系に関するスキルの高さが必要になります。
また、中途採用の場合には、年齢が「30歳まで」としていることが多くなっていますので、大卒でMRになったもののしっくりいかない、という方の転職先として向いているのかもしれません。
収入を見込んで、ということであればMRほど期待できない可能性もあります。
しかし新薬開発は高いニーズがあり、それに伴い臨床開発モニター(CRA)も重要な役割がありますので、自身の頑張り次第では大きく飛躍することが可能です。
医療機器メーカー
医療機器メーカーは主に営業職となっていますので、MRとしてのスキルを十分に活かすことができるとして人気の転職先となっています。
しかも、転職が可能な年齢も40代での採用が多くなっていることから、スキル次第では十分に転職のチャンスがあると言ってもいいでしょう。
医療機器メーカーでの仕事は、MRとよく似ている部分があります。
病院内で医師や担当者と面会して、医療機器の営業を行うということですから、MRとして活躍していた方でしたら、即戦力として働くことが可能です。
しかも、製薬会社での求人は少なくなっていますが、医療機器メーカーでの求人は数多く存在することから、転職のしやすさを実感できます。
さらに、収入面においてもMRと比べて引けを取らない企業も多いことから、うまく転職活動ができれば、収入を下げることもないでしょう。
薬剤師
薬剤師資格を保有しているMRにとっては、薬剤師として転職する方も多くなっています。私ダイスケも1回目の転職はMRから薬剤師へのキャリアチェンジでした。
また、「もともと薬剤師になりたいと考えていたけれども、製薬会社に就職した流れでMRになった」という方も少なくありません。
業務内容も医師に対する営業が多いMRより、より患者さんに近い立場で関わっていきたいと考えている方であれば、薬剤師のほうが向いているのかもしれません。
ただ、懸念材料として、収入が下がってしまうことは覚悟しておく必要があります。
薬剤師を仕事にする場合では、高くても800~900万円程度が限界のように感じます。
単に求人情報などを見て自分で応募して転職するような場合には、さらに年収が下がってしまう可能性があります。(転職エージェントを通して交渉して貰うことで一定の低下は防げます。)
転職できる年代についても30代くらいまでが多くなっています。
営業/マーケティング職
MRは営業職であり、マーケティングとも深く関わりのある仕事になりますから、別の業界の営業職やマーケティング企業に転職するという方も少なくありません。
さらにスキルを活かして、コンサルティングを行うという方もいます。
MRとして活躍されている方は、学歴が高い方も多いので、薬に関することだけではなく、論理的に物事を捉える能力に長けている側面があります。
自身の分析で、そのようなスキルを実感できるのであれば、いっそ他の業界に飛び込んでみるのもスキルアップの方法になるかもしれません。
MRが転職先を考える4つの理由「今が追い風」
-
コロナ禍でのリストラ
-
製薬業界の再編による不安
-
営業職からの脱却
-
スキルアップや収入アップ
ご存じの通り、薬価の引き下げにより、製薬会社によっては経営が厳しくなる企業が現れるようになりました。
さまざまな報道によって明らかになっていますが、製薬業界の再編が進んでおり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響をまともに受けることになって、リストラが進んでいることも知られています。
このような流れは、公益財団法人MR認定センターが公表している「2020年版MR白書-MRの実態および教育研修の変動調査-」を見ても明らかです。
新卒採用が明らかに減っていることからしても、製薬業界の現状を理解することができるでしょう。
ただ、MRが転職するうえで、追い風となっている部分も感じられます。
製薬会社では中途採用が増えていることが知られており、採用者の前職を調べてみると「MR」だった方が圧倒的に多いのです。
年度 |
前職が製薬会社のMR |
前職がコントラクトMR |
2020年度 |
77.7% |
54.6% |
2019年度 |
73.2% |
55.9% |
2018年度 |
80.6% |
50.4% |
2017年度 |
79.4% |
51.1% |
2016年度 |
83.5% |
48.1% |
※公益財団法人MR認定センター「MR白書」より抜粋して筆者作成
MR認定センターに参加する200社で、中途採用者の前職をリサーチし、採用した企業の割合を現わしたものです。
こうやって見ると、「MRからMR」の転職が多いことがお分かりになるでしょう。
製薬会社の再編など企業の状況を掴みながら、別の企業に転職することは、スキルアップするためにも重要な視点であると言えるかもしれません。
まとめ
今回は転職したいというMRのために、よく選ばれている転職先についてお伝えしてみました。
MRは別の製薬会社への転職が一番多いことが分かります。
また製薬会社では、業界再編によって中途採用が増えている傾向にあります。
しかも、MR経験者を優先的に採用していることも分かりました。
これは間違いなく、即戦力を確保したい製薬会社が多いと言えるでしょう。
上記でもお伝えした通り、しっかりと準備に取り組んでおき、タイミングをうまく図ることによって、適した企業への転職が開けてきます。
日頃から、製薬会社の動向を掴み、人脈もうまく拡げるようにして、転職の機会を狙っておくようにするといいでしょう。
また、複数の転職エージェントをうまく活用することによって、転職状況を的確に掴むこともできますので、登録しておくことをおすすめします。
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