看護師からのMR転職を成功させる「志望動機」とは
「もう看護師の仕事は限界…」
「でも医療分野でのスキルを活かしていきたい!」
「看護師からMRに転職することはできる?」
新型コロナウイルス感染症は、特に首都圏や関西などにおいて感染者が増えており、一部の病院ではすでに患者さんの受入れができないような報道を見かけることもあります。
TwitterなどSNSにおいて、現場で働く看護師のつぶやきを見ていても、現場がひっ迫している様子が伝わってきて、限界を超えているように感じるものも少なくありません。
そのような背景もあり、看護師の退職者は増えていますが、社会が混乱していますので、うまく転職活動を行っていかねばなりません。
特に同じ医療関係であるとしてもMRの仕事は現場仕事ではなく、医師や病院関係者に対する営業が主な業務となっています。
そのため、安易に考えていると採用されることは大変難しいと言えるのです。
そこでここでは看護師からMRに転職するための第一関門とも言える、「志望動機」についてお伝えしていきたいと思います。
看護師からのMR転職を成功させる「志望動機」とは
看護師がMR転職を成功させるには、さまざまな要素が必要となりますが、その中でも最初に大切になる部分が「志望動機」であると言えます。
特に、MR未経験者である看護師が応募する場合、即戦力になるかどうかの判断をまず志望動機によってチェックするからです。
逆に言えば、志望動機でしっかりと自分自身のアピールもできない人材は「採用したいと思わない」ということです。
それほど厳しい状況に飛び込んでいくということを肝に銘じて、転職活動に取り組んでいく必要があると言うことです。
看護師からのMR転職はできる?
そもそも看護師はMRに転職することができるのかという点ですが、中途採用全体を見るとその割合は少ないのですが採用されている実態はあります。
下記のデータをご覧ください。
年度 |
医療関係者 |
2020年度 |
6.2% |
2019年度 |
3.1% |
2018年度 |
3.9% |
2017年度 |
5.3% |
2016年度 |
4.5% |
※公益財団法人MR認定センター「MR白書」より抜粋して筆者作成
このデータは公益財団法人MR認定センターに登録している製薬会社が中途採用を行った中で「医療関係者」を採用した割合となっています。
「医療関係者」というのは、看護師だけではなく臨床検査技師なども含まれています。
この数字だけ見ると、「看護師のMR転職は厳しいかも…」と思うかもしれませんが、製薬会社の多くは「MR経験者」を採用しますので、どうしても全体の割合でいうと低くなってしまいます。
経験者が優遇されるのは、MRだけではなく、どのような業界であっても同じことが言えると思います。
割合としては高くはないのが事実ではありますが、きちんと準備をしておけば、採用される可能性はあると言ってもいいでしょう。
製薬会社はどのような看護師を望んでいるのか
では、もし製薬会社が未経験の看護師を採用するとなると、どのような人材を望んでいるのでしょうか。
看護師がMR転職を成功させるには、この分析をしっかりとしておくことが重要になることは間違いありません。
望んでいることが分かれば、それをしっかりと「志望動機」によってアピールしていくことができるからです。
例えば、このようなことが挙げられます。
-
医療に関する知識やスキルに対する向上心
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医療現場にみられる特徴的なコミュニケーション能力
-
知識やスキルを活かした提案力
看護師は一定の医療に対する知識やスキルを持ち合わせていますが、MRになると新しい情報をどんどん吸収していく向上心が求められます。
医師や薬剤師などに対して、正確に情報を提供しながら、自社の製品を営業していく必要があります。そのため、かなり専門知識を持ち合わせておく必要があると言えるのです。
医師とのやりとりが特徴的なのは看護師経験者であればよくご存じだと思いますが、うまく医師とコミュニケーションができるスキルを持っていることはアピールポイントになるでしょう。
基本的にはMRは病院に訪問し、医師に対して商談を行うことが業務ですから、どのように医師に製品の良さを伝えればいいのか、工夫が必要だからです。
専門分野での知識とコミュニケーション能力を発揮し、さらに提案できる能力に優れているのであれば、MRとしての経験がないとしても即戦力として期待されることになるのです。
看護師からのMR転職を成功させる「志望動機」とは
-
なぜ看護師を辞めてMRを志望しているのか
-
なぜこの会社を志望しているのか
-
あなたはこれまでの経験をどのように活かしていこうとしているのか
志望動機に絶対盛り込んでおかねばならない事項として、上記3つのポイントにまとめてみました。
この志望動機を読んだ採用担当者が「会ってみたい」と思うようなものに仕上げておく必要がります。
上記でもお伝えしましたが、厳しい言い方をすると、これぐらいのアピールができないことには、MRとして務まるとは思えないのです。
具体的な志望動機の考え方
「なぜ看護師を辞めてMRを志望しているのか」という点においては、「看護師が嫌になった」「MRの方が給料が良い」といった本音があるかもしれませんが、当然ながらそんなことを担当者が聞きたいのではありません。
そんなことは当然ながら織り込み済みであり、あなたがMRという業務に対して何に魅力を感じているのか端的に伝える必要があります。
「興味がある」「役に立ちたい」「医療業界でスキルアップしたい」などといった内容になるとは思うのですが、看護師時代のエピソードを交えておくとより気持ちの入ったものになります。
例えば、「病棟時代での患者様の死をきっかけに…」などというと、グッと話に深みが出るようになります。
志望する製薬会社についてしっかりと調査を
「なぜこの会社を志望しているのか」という部分に関しては、志望する企業の情報を丁寧に調査しておくことをおすすすめします。
昨今、製薬会社は再編が進み、大きく変わろうとしています。
製薬会社は生き残りをかけた勝負のときですから、職員の採用も無駄なものにすることはできないのです。
そのため、志望する企業にはどのような強みがあり、どのような方向性で進もうとしているのか、しっかりと把握しておく必要があります。
製薬会社では、主力となる製品があり、特に力を入れている疾患の領域があることが分かります。
その分野において生き残りをかけている訳ですから、志望するあなたも当然ながらそのスキルが求められています。
取り組んでいる領域について、また志望する企業の取り組み内容について把握することが、あなたの本気度を図る尺度になるのです。
また、企業のサイトなどを確認するとIR情報が閲覧できますので、中長期の事業計画などを参照しておくことが必要です。
そのようなことを踏まえて、あなたはこれからどのように自身のスキルを活かしていきたいと考えているのか、上記でもお伝えした「どのような看護師を求められているのか」という部分を深く掘り下げて志望動機にしてみるといいでしょう。
まとめ~看護師からのMR転職を成功させるには
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医療に関する知識やスキルに対する向上心
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医療現場にみられる特徴的なコミュニケーション能力
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知識やスキルを活かした提案力
まとめてみると、製薬会社は未経験の看護師に対して、このようなスキルを求めています。そのため、そのような内容を踏まえた志望動機に仕上げておく必要があります。
実際に踏まえておくべき内容としては、
-
なぜ看護師を辞めてMRを志望しているのか
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なぜこの会社を志望しているのか
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あなたはこれまでの経験をどのように活かしていこうとしているのか
の3点を端的にアピールしておく必要があるでしょう。
看護師からのMR転職は一般的に厳しいといわれますが、必ずしも採用されない訳ではなく、元看護師のMRは増えている状況にあります。
つまり、製薬会社が求めている人物とマッチすれば、採用される可能性はグッと高まるのです。
製薬会社の情報をしっかりと掴むためには、自身で調べることも大切ですが、製薬業界を知り尽くしているキャリアコンサルタントに相談することがおすすめです。
サイトなどだけでは知ることができない情報も掴んでいるからです。
キャリアコンサルタントには、転職サイトに簡単な登録を済ませば無料で相談することが可能です。
どのように志望動機を書けばいいのかといった、具体的な内容も知ることができますので、うまく活用することをおすすめします。
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