アキュリスファーマとは~概要や資金調達68億円の流れから製薬業界の今後を掴む!!
バイオベンチャー「アキュリスファーマ(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役社長兼CEO:綱場 一成)」に注目している方は多いのではないでしょうか。
2023年11月に、てんかん発作に対する、抗けいれん薬ジアゼパム点鼻液が、希少疾病用医薬品の指定を取得したことがニュースになりました。
2021年10月28日、報道において大きく賑わいましたのでご存知の方は多いと思いますが、ソフトバンクグループが傘下の「ビジョンファンド」を通じて、アキュリスファーマに巨額の投資を行ったということです。
ビジョンファンドとは投資会社ですが日本企業への投資ははじめてで、ソフトバンクグループを中心として68億円の調達を行ったことが分かっています。
アキュリスファーマは2021年1月に設立した企業ですが、なぜこのような資金調達に成功したのか気になる方も多いのではないでしょうか。
実はこの話を深掘りしていくと、製薬企業の新しい取り組みも見えてきますので、今後の製薬業界がどのような方向で進んでいくのかも理解することができます。
どのような企業なのか、またなぜソフトバンクグループが投資を行ったのかについてもお伝えしていきます。
アキュリスファーマとは~その概要や資金調達68億円までの流れ
アキュリスファーマを知ることで、製薬企業のグローバルな動きを知ることができ、また今後の国内の製薬企業の姿を予想することもできます。
その理由をアキュリスファーマがどのような企業なのか解説しながら、順番に説明していきたいと思います。
アキュリスファーマの概要
アキュリスファーマは2021年1月に設立したバイオベンチャーで、新薬の開発・販売を行っています。
「革新的な医療への橋渡しを担う」という理念のもとに、医療手段の橋渡し役として、欧米諸国から革新的な医薬品を導入しています。
フランスにあるBioprojet Pharma社と睡眠障害に対する治療薬の日本国内での独占的開発、商業化に関するライセンス契約を締結することが話題となりました。
この睡眠障害治療薬はアメリカや欧州において当局の承認を受けているもので、広く睡眠障害分野の医療に変革をもたらすものであると期待されています。
「pitolisant」と呼ばれているもので、不眠症やナルコレプシー、眠時無呼吸症候群の睡眠障害に対する効能・効果があるとして承認されている薬剤になります。
ナルコレプシーは時間や場所を問わず強い眠気に襲われる病気で、有病率は2000人に1人であると言われています。
睡眠障害による日本の経済的損失は約15兆円と言われていることからしても、かなり重要な意味を持つ薬剤であることが理解できるでしょう。
そのことから、ソフトバンクグループをリード投資家とした総額68億円の資金調達を実施することになったのです。
アキュリスファーマでは、この支援を受けて、大手製薬企業で医薬品の研究開発、疾患啓発などに携わってきたメンバーが集結することになり、新薬の臨床開発が進められています。
アキュリスファーマの所在地「湘南アイパーク」とは
アキュリスファーマの研究拠点は、神奈川県藤沢市にある湘南アイパークに存在します。
湘南アイパークというとご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、武田薬品工業が2018年4月に設立した研究所で「湘南ヘルスイノベーションパーク」と呼ばれるものです。
ここは薬剤研究の総本山とも言われており、バイオベンチャーやアカデミアが持っている革新的なアイデアを形にするために武田薬品工業が開放している場所なのです。
つまり、その場に設立されたアキュリスファーマは、武田薬品工業やその他製薬企業、バイオベンチャーと共にイノベーションを実現しようとしていることが理解できるでしょう。
湘南アイパークはその半分を武田薬品工業の研究所として利用されているのですが、残りのテナントには田辺三菱製薬、あすか製薬など40社以上が入居しており研究拠点としていることでも知られています。
現在、グローバルな視野で製薬企業をみるとバイオベンチャーの活躍が著しいことが分かりますが、それは多くの製薬企業がバイオベンチャーと連携する戦略を取っているためです。
この湘南アイパークのように、バイオベンチャーやアカデミアが一部の地域に集まって活動しているようなことが多く、そこに大手製薬企業も研究開発部門をおいているのです。
武田薬品工業も、そのようなグローバルな動きを察知して研究開発の拠点を作り、アキュリスファーマのようなバイオベンチャーと繋がろうとしていることが分かります。
アキュリスファーマを支援するVC「キャタリスパシフィック」とは
アキュリスファーマは今回巨額な資金調達を受けたことがクローズアップされましたが、そもそも設立の際にはベンチャーキャピタル(VC)のキャタリスパシフィックの全面的な支援を受けています。
ベンチャーキャピタル「キャタリスパシフィック」はアキュリスファーマのようなベンチャー企業やスタートアップ企業など、高い成長が見込まれる企業に対して出資を行っています。
特に日本発のグローバル・バイオベンチャーのイノベーションに貢献するために創出と投資を行っていることが特徴であると言えます。
キャタリスパシフィックは独立系ファンドであり、中外製薬株式会社、エーザイ株式会社、武田薬品工業株式会社などと共に、投資を行っていることでも知られています。
それらパートナーの中にはソフトバンクグループも含まれており、今回の巨額な投資に結び付いたものであることが分かります。
ちなみにキャタリスパシフィックのオフィスは東京のほかにも、先ほどご紹介した湘南アイパークにも存在していることが知られています。
なぜソフトバンクがアキュリスファーマに投資を行うのか
少々余談になるかもしれませんが、なぜバイオベンチャー企業であるアキュリスファーマにソフトバンクが投資するのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
それは、ソフトバンクが「携帯会社」「インターネット企業」といったイメージが強くあるからにほかないでしょう。
ちなみにスマートフォンを提供するソフトバンクは、実は「ソフトバンクモバイル」というソフトバンクグループの傘下企業の一つになります。
つまり、ソフトバンクはスマートフォンやインターネットを提供するのは一つの側面であり、現在は投資会社としての側面が強いのです。
ソフトバンクグループは2021年3月期の決算において純利益は約5兆円であると発表しています。
これはトヨタ自動車をはるかに上回っており、世界第3位にまで押し上げている数字なのです。
バイオベンチャーへの投資に意欲的である理由もお分かりになるのではないでしょうか。
まとめ
アキュリスファーマについての情報についてまとめてお伝えしました。
アキュリスファーマの企業としての情報だけではなく、製薬業界の動きなども交えてお伝えしましたので、今後の製薬業界がどのように変化するのかも予測できるのではないでしょうか。
2021年度は薬価改定によって削減される薬剤費は4315億円と言われている通り、特許切れの長期収載品や後発医薬品に対して大きな影響を受けます。
そのようなことから、国内での医薬品市場は今後も緩やかに減少していくことが予想されています。
そのため大手製薬企業はもちろんのことではありますが、中小製薬企業は生き残りをかけた正念場であることは間違いないのです。
そのような中で、今回ご紹介したアキュリスファーマやそれを取り巻く製薬企業の動きは、今後グローバルな視野で活躍するための新しい道になるのではないでしょうか。
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