転職しようか悩んでいる薬剤師の方へ。こんな環境なら、職場環境がブラックなので、転職を検討しよう!
「ブラック薬局」
薬局で働く薬剤師の中には、自身の職場のことをこのように呼ぶことがあります。
ブラック薬局とは、いわゆる「ブラック企業」の薬局版。
具体的に言えば、残業代を支払ってもらえない、休みが取れない、パワハラに悩んでいる…などといった状態が継続している職場であると言えます。
ただ、働いている薬剤師の中には、そのような状態でも我慢して働き続けていたり、それでも会社のために働かねばならない、甘えていたらいけない、と自分を責めている方もおられます。
しかし、どうせ薬剤師として働くのであれば、スキルを磨き、自分を成長させてくれる職場がいいのではないでしょうか。
そのためには、今の職場が本当に正しい職場なのか、冷静に判断することが大切なのです。
ここでは、転職しようか悩んでいる薬剤師の方に向けて、職場環境について詳しくお伝えしていきましょう。
薬剤師のアンケート調査~こんな職場環境ならブラック!
プレスリリース・ニュースリリース配信サービスの『PR TIMES』が公表している「ラック薬局の実情について薬剤師100人にアンケート調査」をご紹介しましょう。
これは、合同会社スマスタが運営する転職情報メディアにおいて、薬剤師100人に対して行われた「薬剤師が考えるブラック薬局」のアンケート調査の集計結果です。
ぜひご自身の職場環境に同じようなものがないか、比較しながらご覧になってください。
長時間労働・人員不足
薬剤師100人に対して行われたアンケート調査において、「薬剤師が考えるブラック薬局」としてもっとも多かったのは「長時間労働・人員不足」です。
「薬局において薬剤師は不足している」と伝えられていることから、人員不足から長時間労働に及ぶのを懸念している薬剤師が少なくありません。
労働基準法においては、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて働くような、残業が必要な場合には例外的に月45時間まで認められています。
労働基準法第36条で定められている内容であり、この数字を超えてくるような場合には労働基準違反になりますので、ブラック薬局と呼ばれても仕方のない行為になります。
そもそも人員不足は薬局を経営する企業側に責任があり、その責任を従業員である薬剤師が負わなければならないものではありません。
定められている薬剤師の配置基準が満たされていれば、長時間労働になることはないのです。
残業代未払い
次に多かったものに「残業代未払い」があります。
「サービス残業」といった言葉がありますが、そもそも残業は給料の一部になるものですから、該当する場合には正当に貰う権利があります。
上記でもお伝えしましたが、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて働いているのであれば、残業代として認められる可能性があります。
中には、定時になるとタイムカードを打刻させ、それから残業を命じるような悪質なブラック企業の事例が報告されています。
「責任者だから残業代は出ない」
「終業後の研修には残業代は出ない」
などはよくある事例ですが、このようなことは認められないものです。
休み・有給が取れない
人員不足や繁忙期などを理由に休みが取れない、という事例は一般企業においてもよく耳にするのではないでしょうか。
労働基準法によれば、毎週少なくとも1回の休日を与える必要があり、また就業時間内の休憩時間についても8時間を超える就業においては1時間の休憩時間を途中に与えなければなりません。
それは、どれだけ忙しくても、どれだけ人が足りない状態であっても、「違法」と扱われることになるのです。
もちろん、休日の持ち帰りの仕事や研修、職場のイベントなどにおいても、休日と認められることはありません。
このようなことも本来は出勤扱いとなるのです。
パワハラ・人間関係が悪い
「パワハラ」「セクハラ」といったハラスメント行為は、特に近年になってブラック企業として報告されることが多くなりました。
「パワハラ」とはパワーハラスメントの略で、職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係の優位性を悪用して、適正な範囲を超えて心身に苦痛を与える行為のことをいいます。
身体を叩くような行為、暴言や脅迫など精神的な攻撃、無視や仲間外れなどといった人間関係の切り離しなどがパワハラの典型例となります。
薬剤師の多くはブラック薬局で働いている!?
上記のアンケート結果は、あくまで薬剤師がブラック薬局だと認識できる行為ですが、実際にそのような中で働いたことがある、あるいは聞いたことがあるという薬剤師も少なくありません。
実際の内容で多いものは次の通りです。
- 残業代未払い(32%)
- 休み・有給が取れない(25%)
- パワハラ・セクハラ(20%)
- 長時間労働・激務(19%)
「ブラック企業」というと、どこか遠い存在のように感じるかもしれませんが、実は薬局においてもこのような行為が見られることがありますので十分注意が必要です。
この内容を見てみると…
「残業代未払い」については、「タイムカードのシステムがない」「就業時間にタイムカードを打刻するように言われる」といった調査結果が出ています。
タイムカードがなければ、時間の管理が不十分で、残業しても就業時間内での勤務にされてしまうことがあります。
また就業時間のタイムカードの打刻においては、日々の残業、就業時間外の研修などにおいてもサービス残業扱いとされてしまうのです。
「休み・有給が取れない」薬局に多いのは慢性的な人材不足で、社員がすぐに辞めてしまう傾向があることから、休みや休憩が十分に取れません。
有給休暇についても年間10日ほどの中でも、数日しか活用できないというケースも少なくありません。
「パワハラ・セクハラ」については、人事を好き嫌いで決めたり、女性蔑視、いじめをする上司がいる、などといった報告があります。
「長時間労働・激務」については、「とにかく忙しい」というものから、休憩も取れない、残業時間が月50時間を超えているといった、悪質なものもあるようです。
割合をみても少なくないことから、薬局選びも慎重に行わねばならないと言えるのではないでしょうか。
ブラック薬局なら今すぐ転職を検討しよう!
冒頭からご紹介しているブラック薬局に当てはまるのであれば、今すぐ転職を検討することが必要です。
そもそも薬剤師となって、薬局に就職したのは、「薬剤のスキルを高めたい」「患者さんの役に立ちたい」「管理薬剤師になりたい」などといった目標があるからでしょう。
しかし、このような薬局に雇用されているままでは、いつまで経っても学びを深めることはできず、目標を達成することが難しいからです。
とは言え、別の薬局に転職する場合でも「また、ブラックだったら…」と警戒してしまうのではないでしょうか。
そのためにも、薬剤師転職に特化した転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントに属するキャリアコンサルタントは、日常的に薬局との連携を図っており、職場にも実際に足を運んだり、転職した人から状況を確認したりしています。
悪質な状況が確認できれば、その薬局をすすめるようなことはしません。
転職エージェントへの信頼を損ねることになるからです。
反対に、良い情報を得たら積極的に紹介することになります。
ハローワークなどで採用情報を確認することはできますが、職場環境や人間関係まで調べることはできません。
そのような情報を得るためには、転職エージェントが最適なのです。
まとめ
転職しようかと考えている薬剤師の方は少なくないでしょう。
今は人材不足の業界ですから、引く手あまたの状況があります。
しかし、うまく人材が補えない薬局の中には、職場環境として適切ではない可能性もあるかもしれないのです。
薬剤師の転職を考えているのであれば、給料だけに注目するのではなく、職場環境がどのようなものなのか、しっかりと把握しておく必要があります。
そのためには、薬剤師転職に特化して活動しているキャリアコンサルタントに相談しながら転職活動をすすめていくと良いでしょう。
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