COVID-19の影響でMR活動はどのように変わったか
COVID-19の影響で在宅業務が長くなった方も多いのではないでしょうか。
実際には医療機関からの不要不急の来院は控えるようにとの通達やアポイントのキャンセルなども多いかと思います。
そこで、約2か月でどのように変わったのかを検証してみました。
COVID-19の影響でMRディテール34%減、講演会84%減
COVID-19のの影響で、対面による医師への情報提供が激減したことがデータにも表れている。
MRによる推計ディテール数の全社合計値(GP・HP合算)は前年同期比で34%減少。講演会はさらに影響を受け、84%減となった。
一方、インターネット経由での情報提供には各社が力を入れており、推計値が大きく伸びている。
3月度の段階では対面のディテールがまだ34%減であったことには驚きです。
しかも昨年比の15%の講演会は実施されていたとの事がわかってきております。
MRから医師への情報提供を計る「MRディテール」の全社合計推計値は、GP(99床以下)が251万9972(前年同期比35%減)、HP(100床以上)が337万2451(33%減)。
これを合算すると、トータル推計ディテール数は589万2423(34%減)になる。
非常事態宣言後の4月においては、HPの対面ディテールは90%以上の減になってきていることがわかっています。
比較的影響を受けていない、GPにおいては院長の裁量で面会のケースが多いようです。
一方、説明会の実施状況は
以前、某大学病院での説明会事例をあげさせて頂きましたが、3月度の説明会は38%減であったようです。
「MR院内説明会」の推計ディテール数を全社合計し、GP・HPを合算すると35万759(38%減)になる。
製品別に見ると、GPではタリージェがトップになった。
ただし推計ディテール数は2588と低水準。HPでも第一三共の製品である高血圧症治療薬「ミネブロ」がトップになった。推計ディテール数は5096。
「タリージェ」、「ミネブロ」、「リクシアナ」、「タケキャブ」といった製品がディテール上位に挙がってきています。
やはり、プライマリーに近い領域においてはshare of voiceの考え方があるのかと考えます。
状況はオンラインでの情報提供に推移
医師との面会が限られる中、営業現場では情報提供ルートをオンラインに切り替えていることがデータにも表れている。
「 Web講演会」の全社を合計しGP・HPを合算すると、推計ディテール数は110万8727(50%増)と大幅に増えた。品目別ではGP・HPともにミネブロがトップで、推計ディテール数はGPが2万4441、HPが2万8141。オンラインでも第一三共が上位に入った。企業のホームページなど「インターネット」での情報提供も増えている。全社合計推計ディテール数は、GP・HP合算で358万5827(37%増)。
GPのトップは武田薬品工業の不眠症治療剤「ロゼレム」で、推計ディテール数は4万4743。HPでも武田薬品の高脂血症治療薬「ロトリガ」が首位になった。
メールやZOOM、Microsoft Teamsなどといったツールでの面会が倍増していることが良くわかります。
一方でオーファンドラッグについては
こちらは主観ではありますが、プライマリーに比べてオンライン化は進んでいないように感じます。
メールでの個々の患者さんの状態の確認、検査の要望、疾患の診断、紹介についての依頼など今までと変わらない業務がメールや電話での問い合わせに変わっただけとの印象があります。
もし、オンラインで売り上げが下がらなかった場合、プライマリーにおいてはMR数の削減といった事が加速的に進むことが予想されます。
既にコンサルティング会社にはデータの蓄積や試算が始まっているとの情報も出ています。
これからのオーファンについてもわかりませんが、COVID-19の影響が終息した後、私たちの働き方もかなり変わっているのではないでしょか。