営業未経験だけどMRに転職することはできる?営業未経験からMRになるためのルート
「営業未経験でもコントラクトMRに転職はできる?」
MR未経験の転職先として、『コントラクトMR』を目指すことが王道であると言われます。
実際、公益財団法人MR認定センター「MR白書」を調べてみると、未経験者をコントラクトMRとして中途採用したCSO企業が多いことが分かっています。
ただ、一般的に採用される条件として、医療や薬剤に関するスキルだけではなく、「営業経験」が求められる場面が少なくありません。
営業未経験者は採用されないのでしょうか?
ここでは、営業未経験者がMRに転職するための方法について、さまざまな角度からご紹介していきましょう。
営業未経験だけどMRに転職することはできる?
営業未経験であるということは、MR未経験でもあるということになり、経験者と比べて不利になることは間違いありません。
ただ、あくまで一般的な話ですので、さまざまな角度から自身を分析しておくことが求められます。
営業未経験でもコントラクトMRへの転職はできる?
そもそも営業未経験でもコントラクトMRへの道が開けるかと言えば「可能ではあるけれど難しい」という状況です。
次の章でも詳しくお伝えしますが、医療に関する知識だけではなく、営業スキルも同時に求められる仕事だからです。
ただ、看護師や薬剤師のように、営業職ではない求職者でも採用されている実態がありますから、「営業」には提案力とかコミュニケーション能力も含まれていると考えるべきでしょう。
病棟の看護師であっても、医師に対する提案力が優れているような場合や、お客様や医師とのコミュニケーションに長けた薬剤師であれば、MRとして採用の道が開けてきます。
コントラクトMRへの転職で求められる条件とは
MRは薬剤を取り扱う仕事ですから、医療や薬の知識が求められます。
そのため、薬剤師や看護師など、薬剤に対して専門的に学んできた経験を持っているのであれば、かなり有利となります。
さらにMRの業務は、医師に対して薬剤について紹介し、営業を行う必要がありますので、営業経験は必ず求められるスキルと言っていいでしょう。
特に、30代を超えた転職の場合には、即戦力として期待されることもありますので、営業経験だけではなく実績についても求められます。
中途採用の場合には、即戦力になる柔軟性を持ちあわせておく必要がありますから、どうしても営業経験が求められてしまうことは避けられない事実なのです。
営業経験とはそもそもなに?
上記でもお伝えした通り、「営業経験」と言ってもさまざまな捉え方があります。
例えば、飛び込み営業やルート営業などの業務をしていた方なら、それは営業経験になりますが、ルート営業で配送だけが業務内容だった場合であれば、即戦力となる営業経験とは言えません。
営業経験がないとしても、病棟のリーダーや管理職をしていたような看護師であれば、医師に対するさまざまな提案を行ってきたはずです。
医師に対する営業を行うMRの特徴からすれば、有利となることは間違いありません。
そのように考えれば、多くの職種は営業面を兼ね備えていますので、営業経験がないからと言って諦める必要はないでしょう。
営業未経験者が営業経験を積む方法
-
営業職への移動
-
営業職への転職
どうしても「営業経験がない」「営業スキルがない」という方でしたら、いきなりコントラクトMRを目指すのではなく、いっそ営業経験を積んでみることをおすすめします。
医療や薬剤の経験があるような看護師や薬剤師であればばまだしも、まったく他の業界からMRを目指すような場合には、営業経験がなければ転職はかなり厳しいからです。
営業経験を積む方法としては、上記2つにまとめることができます。
1つ目は、人事異動によって今いる場所で営業経験を積んでしまう方法です。
内勤で事務作業が多いような場合であれば、営業部門や何かしらの形で提案やコミュニケーションが必要な部門に移動すると良いでしょう。
その部門で3年ほど経験を積めば、MRの道が開けてきます。
また2つ目に、内部でそのような移動が無理な場合には、営業職へ転職してしまう方法があります。
その場合では、営業ならばどのような仕事でも良いわけではなく、MRへの転職が近づく職場を選ぶことをおすすめします。
その転職ルートについては、次の章でご紹介していきます。
営業未経験からMRになるための転職ルート
・MS(医薬品卸販売担当者)→コントラクトMR
・医療機器メーカー→コントラクトMR
・キャリアコンサルタントに相談→MR
営業未経験からMRになるための転職ルートとして、おすすめの方法を3種類まとめてみました。
順番にご紹介していきましょう。
MS(医薬品卸販売担当者)→コントラクトMR
「MS(医薬品卸販売担当者)」とは、医薬品卸を行う企業の営業職であり、医療用医薬品や一般医薬品を取り扱います。
医薬品卸企業は製薬会社から医薬品や医療用材料などを仕入れ、その製品を病院や薬局などに販売していきます。
さまざまな情報を提供し、ニーズに沿った製品の提案を行います。つまりMRの業務とかなり近い立場であると言えるでしょう。
実際、中途採用されているMRの中には、MSからの採用が多くなっています。
年度 |
特約店関係者 |
2020年度 |
12.3% |
2019年度 |
15.0% |
2018年度 |
19.4% |
2017年度 |
19.1% |
2016年度 |
21.1% |
※公益財団法人MR認定センター「MR白書」より抜粋して筆者作成
MRとして中途採用されている割合を調べてみましたが、全体の1割~2割程度はMSであることが分かります。
医療機器メーカー→コントラクトMR
医療機器メーカーでの仕事は主に営業職ですが、医療機器を病院担当者や医師とのやり取りの中でおすすめしていくことから、MRに近い職種と言えます。
そのため、医療関係者ではない未経験者がMRを目指す場合においても、かなりおすすめのルートになります。
しかも、20代や30代での転職だけではなく、40代での採用も多い業界であることから、これからステップアップしていきたい場合にも意識して探してみるべきです。
収入面についても、一般の営業職よりも高い報酬である企業も多いので、現在の仕事と比較しても満足のいく転職になるように感じます。
キャリアコンサルタントに相談→コントラクトMR
・MS(医薬品卸販売担当者)に転職を考えている場合でも、医療機器メーカーに転職を考えている場合でも、まずはキャリアコンサルタントに相談することをおすすめします。
上記でもお伝えしている通り、営業職の経験はMR転職で有利になることは間違いありませんが、提案力やコミュニケーション能力の長けている方であればMRとして採用される可能性もあります。
ただ、自身がどのくらいのスキルを持ち合わせているかについては、なかなか判断材料もないので難しいのではないでしょうか。
そのため、まず現在の状況を踏まえて、MR業界に詳しいキャリアコンサルタントに相談することによって、自身になにが足りないのか明確にすることができます。
MR業界に詳しいキャリアコンサルタントは、MR転職に特化した転職エージェントに所属しています。
転職エージェントへの登録は無料となっていますので、MR転職を希望しているのであれば、まずは相談から始めてみるといいのではないでしょうか。
まとめ
営業未経験に場合、一般的にはMRに転職することは不利になると言われています。
医療や薬剤の知識と共に、営業スキルを持ち合わせておくことが、MRの即戦力として判断される材料となるからです。
そのため、営業経験がない方であれば、MRへの転職活動に踏み切る前に、営業スキルを積んでおくことをおすすめします。
ただ、提案力やコミュニケーション能力に長けている方であれば、営業経験がないとしてもMRとして採用される可能性もあります。
まずは、MR業界に詳しいキャリアコンサルタントに相談して、どのように転職活動を進めていけばいいのか、確認するといいでしょう。