MRへの転職のおすすめルート~経験者は?未経験者のおすすめルートってある?
MRは全体数が減少していることが知られていることもあり、転職市場がかなり厳しくなっていると報じられることもあります。
ただ、確かに数年前のMR業界と現在とでは違う側面がありますが、必ずしも厳しくなっている状況であるとはいえません。私もMRから薬剤師に一度転職しましたが、その後、希望すればすぐにMRへの再転職が好条件で出来ました。(もちろんかなりの情報収集と戦略的な転職活動はしましたが。)
近年のトレンドとして、MR経験者の即戦力であれば中途採用を行う製薬会社が増加傾向にありますし、未経験者においてもコントラクトMRをはじめ、一定の割合で採用されている状況が見て取れます。
ここでは、MRへの転職におけるおすすめのルートについて、さまざまな角度からお伝えしたいと思います。
MRへの転職のおすすめルートは?
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製薬会社のMR
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ジェネリック医薬品メーカーのMR
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コントラクトMR
MRに転職する場合、経験者・未経験者を問わず、上記3つのいずれかにまとめることができます。
ただし、経験者の場合であれば「製薬会社」「ジェネリック医薬品メーカー」が多く、未経験者の場合であれば「コントラクトMR」がおすすめのルートになります。
コントラクトMRについては、次の章で詳しくお伝えしていきましょう。
製薬会社から製薬会社への転職
MRに転職する多くのケースは、「MRからの転職」となっています。
つまり、経験者がより自身にあった企業で働くために、転職を希望するというものです。
MRからの転職で「自身にあった企業」とは具体的に、
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営業スキルを活かしてより実績を評価してくれる企業
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収入アップが期待できる企業
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経営状態が安定した企業
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キャリアアップができる企業
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転勤が少ない企業
など、さまざまな条件が考えられます。
営業スキルが高い方であれば、より評価や収入アップが期待できるような企業への転職を望むケースが多くなっています。
MRは減少傾向にありますが、企業の利益を生むことが期待できるMRであれば、積極的に採用したいと考えている製薬会社も実は少なくありません。
製薬会社からジェネリック医薬品メーカーへの転職
MRの中には会社の経営状態に不安を感じて、転職を検討している方が多いのではないでしょうか。
特に近年ではジェネリック医薬品が推奨されている中で、製薬会社で働くMRがノルマに苦しんでいるケースが増えています。
そのため、今後のことを考えてジェネリック医薬品メーカーのMRに転職すれば、営業活動がスムーズになるのではないかと考えるのです。
未経験からMRを目指すおすすめルート「CSO企業(医薬品営業マーケティング受託機関)」
未経験からMRを目指す場合、いきなりMRへ転職するのではなく、CSO企業(医薬品営業マーケティング受託機関)を目指してみることも視野に入れてはいかがでしょう。
CSO企業とはどのような企業なのか、未経験者にCSO企業への転職をおすすめする理由は何なのか、詳しくご紹介していきましょう。
CSO企業(医薬品営業マーケティング受託機関)とは?
現在、薬剤師や看護師、医療機器メーカー、医薬品メーカーなどから、未経験でMRへの転職を目指しているという方も多いのではないでしょうか。
あるいは、新卒でMRを目指したいという方もいらっしゃるでしょう。
MRとしてのやりがい、収入アップなどを考えると、転職や就職のメリットはとても多いことは間違いありません。
ただ、MRが減っている中で、未経験者の採用はそれほど多くない現状があります。
近年ではMR経験者が転職を検討するケースが多くなっているために、企業はどうしても経験者を優遇する傾向にあります。
しかしCSO企業の場合、製薬会社に派遣されて、MRとして経験を積むことができる「コントラクトMR」という働き方ができます。
入社後の一定期間に社内で研修を受講し、契約先の製薬企業や医薬品メーカーなどに配属されることになります。
配属された後は、配属先の企業の社員と同様に勤務し、与えられた業務を行っていくことになります。
雇用形態としては正社員だけではなく契約社員であることもあるのですが、福利厚生や各種手当などは充実しているケースも少なくありません。
しかも、MRとしての経験も積めるために、今後の転職に有利になると言えるでしょう。
企業別のMR数からみるCSO企業をおすすめできる理由
2019年度 |
2018年度 |
2017年度 |
2016年度 |
2015年度 |
|
内資製薬企業 |
33,463 |
35,455 |
36,721 |
36,844 |
37,493 |
外資製薬企業 |
19,711 |
20,763 |
21,973 |
22,217 |
22,552 |
CSO |
3,917 |
3,614 |
3,667 |
4,054 |
3,986 |
卸企業 |
67 |
68 |
72 |
70 |
104 |
※公益財団法人MR認定センター「MR白書」より抜粋して筆者作成
上記の数字は、MR認定センターに所属している、製薬会社185社で集計をしたものとなっています。
製薬企業は内資系・外資系問わず、年々、MR数が減少していることが分かります。また同様に医薬品の卸企業においても、減少傾向にあることが見て取れるでしょう。
その中で、2019年度に上昇傾向に転じているのがCSO企業です。
CSO企業は上記でもお伝えした通り、MR業務のアウトソーシングを提供している企業のことを言います。
つまり、アウトソーシングを受け入れする製薬企業が多くなっているのです。
なぜこのような状況になっているのでしょうか。
CSO企業のMR数が増えている理由
わが国においてCSO企業のMR数は、MR全体から見ると1割にも満たない状況ではありますが、今後さらに増えるのではないかと考えられています。
というのも、製薬会社では業界再編や薬価の引き下げなど先行きが不透明な状況であり、やみくもにMRを増やすことができない現状にあります。
しかも新型コロナウイルス感染症の蔓延によって医療機関に訪問ができなくなり、リモートワークが推し進められることになって、MR1人当たりの担当エリアが拡大したことも影響しています。
営業を増やす必要性が低くなってしまったのです。
また、がんや起床疾患などの新薬の開発に積極的に取り組む製薬会社も多くなったことから、より専門性に特化した情報提供が行えるMRが必要となっています。
CSO企業ではこれらのニーズに沿ったMRを派遣できるように、未経験のMRを育てるための細かな研修プログラムが整備されているケースが多くなっています。
MRとして活躍するためには「MR認定試験」に合格しなければなりませんが、全体で75%の合格率となっていますが、CSO企業での合格率は90%を超えると言われています。
いかにCSO企業の研修プログラムのレベルの高さ、CSO企業に所属するコントラクトMRのスキルの高さを理解することができるでしょう。
このようなことから、製薬会社では自社のMRを増やすよりも、コントラクトMRの導入に転換していることが伺えるのです。
ちなみに、わが国のCSO企業によるコントラクトMR数はまだまだ多くはありませんが、世界的に見た場合には、広く活躍していることが知られています。
そのような状況を見ても、これからもコントラクトMRが増えてくることが予想されます。
CSO企業において最先端の専門知識を身につけることができ、多くの製薬会社や医薬品メーカーから求められことは間違いありません。
コントラクトMRとしてスキルアップすることができれば、大手製薬会社のMRとして転職する道も開けてくるのではないでしょうか。
まとめ
今回はMRへの転職のおすすめルートについてお伝えしました。
MR経験者であれば、近年、中途採用の市場が拡大しつつあります。
即戦力となるMRを積極的に採用したいと考えている製薬会社は多くなっていますので、いま転職のチャンスの時期であると言えるでしょう。
また、未経験者においては、CSO企業によるコントラクトMRでの採用が増えています。
CSO企業では細かな研修プログラムが整備されているケースが多いので、MRとしてのスキルや実績を積み上げることができるでしょう。
これらの情報については、うまく転職エージェントを活用し、転職市場の最前線をキャリアコンサルタントから入手しておくことをおすすめします。
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