「MRにやりがいを感じなくなった…」

 

「子供ができたから転勤のない仕事がしたい…」

 

「MRでの営業活動が本当に苦痛で…」

 

このような理由で、薬剤師を目指すMRが増えています。

 

近年、製薬企業の再編や後発医薬品の登場による薬価下げなどが影響して、MRの数はどんどん減少傾向にあります。

 

製薬会社も生き残りをかけた状況で、MRに求められるものも大きくなりましたので、さまざまな面で苦痛を感じている方も少なくないでしょう。

 

MRの転職者が増えている中で、転職先として多いのが薬剤師。

 

ただ「年収の下落」「薬剤師未経験」などがネックになって、転職したいのに足踏みしている方が少なくないのも事実です。

 

そこでここでは、実際にMRから薬剤師への転職を成功させた方の意見をもとに、MRから薬剤師への転職を成功させる方法についてお伝えしていきます。

 

MRから薬剤師への転職を成功させるには

• 収入面の減少をどうとらえるか

• 薬剤師未経験はすぐに克服可能

• コミュニケーション能力や情報収集スキルを活かす

 

MRから薬剤師への転職を成功させるポイントとして、上記3つにまとめることができます。

 

この3つのポイントをうまく受け入れることによって、薬剤師への転職が大きく開けることになるでしょう。

 

収入面の減少をどうとらえるか

一般的には薬剤師の平均年収は500～600万円程度と言われていますので、MRから薬剤師に転職すると大きく収入を下げてしまう可能性があります。

 

ただ、この年収の減少をどのように捉えていくかによって、薬剤師への転職を成功させる要因にできます。

 

減少するとはいえ、医療業界で高水準であることは、一般病院の看護師が500万円程度であることからしても間違いない事実だからです。

 

そのため、次のように考えることができるでしょう。

 

• 薬剤師の業務にやりがいを求める

• 転勤がないなどによってワークライフバランスを大事できる

• 薬剤師としてのスキルを磨けば高収入を獲得できる

 

薬剤師は主に患者さんとのやり取りが多くなりますので、MRとはまったく違ったやりがいを感じることができるようになります。

 

患者さんから直接相談を受けるようなことも多くなりますし、また調剤薬局の場合では医師から意見を求められるようなこともあります。

 

特にMRとしてのコミュニケーション能力や情報収集能力があれば、さまざまな場面で自身の役割を見出すことができるようになるでしょう。

 

結婚や子供の誕生によって、転勤がない薬剤師を選ぶケースも多いですが、ワークライフバランスを大事にしたい方にとっては、とてもいい選択肢になります。

 

どうしても収入が下るのを避けたいという方であれば、管理薬剤師となり管理業務を行うことや、薬局の経営に関わるようなことによって年収アップを図ることができます。

 

薬剤師で年収を高める方法については、次の章で詳しくお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

 

薬剤師未経験はすぐに克服可能

薬剤師の資格を保有しているMRの中には「薬剤師は未経験だから…」と尻込みしているケースも見受けます。

 

しかし、MRはすでに薬剤の知識は豊富ですから、薬剤師として業務経験がないとしても、すぐに克服することができるでしょう。

 

調剤薬局やドラッグストアなど職種によって業務の違いはありますが、その店舗の管理運営が主な業務です。

 

処方箋に基づいた調剤を行ったり、一般の医薬品やその他商品の販売を行います。相談に応じるようなことも多いでしょう。

 

また店舗によっては、在宅業務に力を入れているケースもあり、個人宅に伺って服薬指導を行うようなことや、地域福祉と情報共有するようなこともあります。

 

MRでの業務では、自社が開発した薬剤に対する営業がメインになりますが、薬局での薬剤師の場合はメーカー問わず情報提供できなければなりません。

 

しかし、そもそもMRは情報収集するスキルが問われますから、さまざまな情報を集めることはそれほど苦痛にならないように感じます。

 

特に「本当は自社の薬よりも他社の方が…」というようなジレンマもなく、これからは本当にいい薬剤をすすめていけるようになるのです。

 

コミュニケーション能力や情報収集スキルを活かす

MRはコミュニケーション能力や情報収集スキルが高い方が多いので、このスキルをうまく活用しない手はありません。

 

やりがいを重視したい場合には、お客さんとの信頼関係を結ぶことができるでしょうし、悩みに対してうまくアプローチすることができるでしょう。

 

また、情報収集スキルを活かせば、医師からの相談を受けることも多くなるはずです。

 

何より、薬剤師に転職してからも高収入を確保したいと考えているのであれば、このスキルをうまく活用すれば、MRよりも収入を得られる可能性だってあるのですから。

 

MRから薬剤師での転職で高収入を獲得するには

• 管理薬剤師を目指す

• 経営スキルを学ぶ

• 対人スキルを活かす

 

MRから薬剤師に転職して高収入を獲得することは十分に可能です。

 

自身の持っているスキルを活かしながら、薬剤師としてのスキル、また経営スキルを磨いていくことによって、収入を高めることができます。

 

管理薬剤師を目指す

MRが薬剤師に転職して高収入を目指したい場合であれば、「管理薬剤師」を目指すことをおすすめします。

 

「管理薬剤師」とは薬剤師をまとめるリーダーであり、また薬局の経営にも関わる大切な役割を持っています。

 

特に資格はなく内部の昇進によってなることができます。ただし、地域支援体制加算を取得する基準としては5年以上の経験が必須となります（ 日本薬剤師会：保険調剤Q＆A）

 

MRから薬剤師に転職すると、一般的には収入は減少してしまいます。

 

厚生労働省の「第22回医療経済実態調査（医療機関等調査）報告－令和元年実施」において、薬剤師の職種別の平均給料が公表されています。

 

一般病院	5,587,295円
保険薬局（店舗数20店舗以上）	4,961,556円

「第22回医療経済実態調査（医療機関等調査）報告－令和元年実施」をもとに筆者作成

 

MRでは30～40代くらいになると、平均年収は600～800万円程度と言われていますので、やはり減少してしまうことは否めないように感じます。

 

さらに 、

次の資料をご覧ください。

 

	管理薬剤師の収入
保険薬局（店舗数1店舗）	8,250,804円
保険薬局（店舗数2～5店舗）	8,053,307円
保険薬局（店舗数20店舗以上）	6,780,233円
保険薬局（全体）	7,523,780円

「第22回医療経済実態調査（医療機関等調査）報告－令和元年実施」をもとに筆者作成

 

管理薬剤師となれば、かなり高収入になることがお分かりになるでしょう。

 

経営スキルを学ぶ

 

薬剤師になってもMRにも劣らない収入を得たいということであれば、薬局の経営に関わっていくことが必要になります。

 

MRでは自社の薬剤を病院に採用してもらうことによって製薬会社の利益となりましたが、同じようにどうすれば薬局の利益になるのか考えていかねばなりません。

 

薬剤師としての主な業務は、医薬品の管理業務やお客さんへの対応がメインとなりますが、それだけではなく店舗運営すべてを担い、財務や従業員、店舗オペレーションなどの管理も求められます。

 

店舗数が複数あるような場合であれば、これからさらに拡大していくために、マーケティングスキルも必要となるでしょう。

 

このような経営スキルを持ち合わせておくことも、薬剤師への転職を成功させる要素となることは間違いありません。

 

対人スキルを活かす

冒頭から何度もお伝えしている通り、MRでの経験による高いコミュニケーションスキルをどのように活用していくかが、薬剤師として成功するために重要です。

 

日々の調剤業務などにおいてお客さんとのコミュニケーションは、地域での信頼を勝ち取るうえでとても大切になります。

 

「かかりつけ薬剤師」という考え方が一般的となりましたが、地域から信頼されるようになると、指名されることも多くなります。

 

また、処方箋で疑義が生じるようなことも多く、その際には処方した医師に照会する必要があります。

 

そのような場面においては、医師との関係性をうまく図りながら照会をすすめていかないと、関係性が悪くなってしまうことがあります。

 

医師に営業を行っているときには、場の空気感などを読んだり、忖度したりするような場面がありますが、そのような経験を活かすことができるでしょう。

 

まとめ～収入面でもやりがいでもメリットの大きい薬剤師への転職を成功させるなら

MRから薬剤師への転職は一般的に、

 

• 年収は下るものの、ほかの医療従事者よりは高収入

• 薬剤師スキルを高めることによって高収入が可能

• 転勤がほとんどなくワークライフバランスが改善される

• 営業ノルマやプレッシャーから解放される

• 患者さんとの関りによってやりがいを感じる

 

などといったメリットがあります。

 

MRでのやりがいを感じられなくなった、MRでの営業が苦手だった、などの悩みを抱えている方であれば、薬剤師への転職を目指してみることをおすすめします。

 

やりがいと収入を獲得し、幸福度が高まったという方も多いことが知られています。

 

薬剤師への転職を成功させるには、薬剤師業界を知り尽くしているキャリアコンサルタントに相談することがいいでしょう。

 

キャリアコンサルタントは、薬剤師転職を専門に取り扱う転職サイトに所属しており、簡単な登録を済ませば無料で相談することが可能です。

 

ぜひうまく活用してみて、薬剤師への転職を成功させましょう。