MRはやめとけ?MR転職事情~数は減ってるのに求人数・採用する企業は増えている不思議【2023年最新】
「別の製薬会社に転職したい…」
「でもMRは減ってるから転職は厳しいだろうな…」
「我慢して今の会社に居続けたほうがいいのかな?」
「先輩にMRはやめとけと言われた」製薬会社などに雇用されているMRは年々減少し続けているのは、みなさんもご存じの通りだと思います。
MRへの転職が厳しいということは、どのサイトやブログを見ても周知の事実ですし、我慢しようかと諦めている方も少なくないでしょう。
ただ、確かにMR求人の数は10年ほど前に比べるとかなり少なくなったのですが、ここ数年の中途採用数においては上昇傾向にあることが分かっています。
公益財団法人MR認定センター「MR白書によると、中途採用する企業数は上昇していることが知られていますし、製薬業界の話題を提供するAnswersNewsの調べでは、MRの求人数は「 2カ月連続の2桁増」と発表し注目されています。
しかしなぜ、
「MRの絶対数が減少するなかで、求人が増えているのか」
と疑問に思いませんか?
この謎を解き明かすことによって、MR転職の道が開けてくることは間違いないでしょう。
ここでは、別の製薬会社のMRへの転職を目指している方に向けて、うまく転職を成功させるポイントについて詳しくお伝えしていきます。
【2022年最新】MR転職事情~MR数は減ってるのに求人数は増えている不思議
MRは減少傾向にありますから、当然ながら一昔前のように多くのMRが採用されていない状況があります。
しかし、転職を諦めるのは早いと言えます。
2022年のMR転職事情について詳しくお伝えしていきましょう。
MRの減少、リストラが続く製薬会社~その理由
MR白書の年度 |
MR数 |
2021年度 |
53,586 |
2020年度 |
57,158 |
2019年度 |
59,900 |
2018年度 |
62,433 |
2017年度 |
63,185 |
2016年度 |
64,135 |
※公益財団法人MR認定センター「MR白書」より抜粋して筆者作成
MRの絶対数が減っているというのは、みなさんもご存じの通りです。
公益財団法人MR認定センターが公表している「MR白書」によりますと、上記の表の通り、減少傾向にあることがお分かりになるでしょう。
ここ5年間で約10,000人ものMRが減少しています。
また、この数字だけみても、MRの絶対数を減らしたいという製薬会社の意図を感じることができます。
一見すると「MRはやめとけ」とアドバイスする人がいるのも頷けます。これにはいくつか理由があります。
-
薬価下げや製薬業界再編に対応する必要がある
-
専門性の高い疾患領域を強化していきたい
-
報酬の高いMRを整理していきたい
順番に製薬会社の意図についてご説明していきましょう。
①薬価下げや製薬業界再編に対応する必要がある
MRが減少している背景には「薬価下げ」があります。
薬価改定によって縮小が迫られた医薬品市場において、営業職であるMRを整理せざるを得ない状況となりました。
高血圧治療薬などの生活習慣病を扱う製薬会社では、特許切れによる後発薬の置き換わりなども大きな影響を受ける要因になっています。
後発薬が8割を占めているような時代を迎えたこと、また製薬の国際的な競争力を高める必要があることなどによって、業界再編が進んでいることも影響しています。
武田薬品工業のシャイアー買収、山之内製薬と藤沢薬品工業の合併(アステラス製薬)、三共と第一製薬の合併(第一三共)などが記憶に新しいところです。
②専門性の高い疾患領域を強化していきたい
上記でお伝えした通り、後発薬が登場していることも大きく影響し、今後は専門性の高い疾患領域を強化していきたいと考える製薬会社が増えました。
特にオンコロジー領域(がんに関わる分野)への注目度が高まっており、専門に扱う製薬会社が増えている背景があります。
当然ながら、それまでの主流であった生活習慣病を扱う製薬会社の場合、オンコロジー領域に力を入れ始めると、それまでの営業であるMRが不要となってしまいます。
逆に言えば、専門領域に精通したMRが必要となっていると言えるのです。
③報酬の高いMRを整理していきたい
新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響によって、病院やクリニックに張り付いていたMRが、自由に出入りできなくなってしまいました。
メールなどのやり取りやオンラインでの営業などが主流となったのですが、そのような営業スタイルに変化しても、医薬品の売上自体に変化はなかったといわれています。
当然ながら製薬会社としては営業に対して業務量を増やすように命じることになり、1人のMRが担当するエリアが拡大することになりました。
つまり、今までのように多くのMRを抱える必要がなくなったというのも、MR数が減少する要因になったと言えます。
MR数は減ってるのに求人数・採用する企業は増えている不思議
MR白書の年度 |
中途採用をした企業の割合 |
2021年度 |
56.8% |
2020年度 |
65.0% |
2019年度 |
62.6% |
2018年度 |
61.4% |
2017年度 |
62.4% |
2016年度 |
64.3% |
※公益財団法人MR認定センター「MR白書」より抜粋して筆者作成
MR数は減少傾向にありますから、求人は一昔前ほど多くはありません。
しかし、冒頭にもお伝えした通り、MRの求人や中途採用する企業数は2020 年度まで増加傾向にあったことが分かっています。2021年度は全体の割合はダウンしましたが、2022年7 月にはMRの求人数が前月比11%増というデータも出ています。
各製薬メーカー(新薬、後発含む)でピンポイントの求人が増えているほか、スペシャリティ領域での大型募集やCSOでの未経験求人も活況となっています。また、リストラによって一斉に退職者が出た製薬会社においても、再びMRの求人が出されていることも知られています。
これからMRへの転職を希望する場合であれば、このような背景での製薬会社の意図をしっかりと掴んでおく必要があるでしょう。
-
MRの全体数は減らし優秀なMRを増やしていきたい
-
オンコロジー領域など専門領域での優秀なMRを雇用したい
これから転職を考える方であれば、この2つのポイントについてはしっかりと抑えておく必要があります。
順番に説明していきましょう。
①MRの全体数は減らし優秀なMRを増やしていきたい
上記でもお伝えした通り、製薬会社はさまざまな状況の中でMRの全体数を減らし、業務の合理化を図りたいと考えています。
そこで製薬会社が取る方法として「早期退職の募集」があります。
リストラをするには人員整理の必要性など高い要件があるので、人員を削減するには早期退職を募ることが一番いい方法だと考えられます。
しかし本来ならここで、優秀なMRを残し、そうではないMRを退職させたいと考えますが、実際には逆の現象が起きてしまいます。
優秀なMRほど、別の企業にも採用されやすいので、さっさと見切りを付けてしまうのです。
そのため製薬会社では、一斉に退職したあとに、優秀なMRを雇用しようと考え、中途採用の募集を出すことになるのです。
②オンコロジー領域など専門領域での優秀なMRを雇用したい
オンコロジーMRの募集は増加傾向にあります。
特に近年はがん治療の開発が急激に進んでいることもあり、専門領域に特化したMRを雇用したいという製薬会社の意思を強く感じられます。
しかし、オンコロジーMRとしての経験者はもちろんのことですが、未経験のMRでも採用されていることが知られています。
仮にプライマリー領域でのスキルだけであったとしても、当然ながらがん治療の中で生活習慣病を併発させるようなことも珍しいことではないからです。
むしろ、オンコロジーMRには生活習慣病に疎い方も少なくありませんから、MRとしてのスキルが高い方であれば、企業は積極的に採用したいと考えています。
うまくMR転職を成功させる秘訣はコレ!(MRやめとけという声に惑わされないために)
-
MR求人はこまめに出される傾向がある
-
オンコロジーMRの求人は増加傾向にある
-
コントラクトMRでも高報酬の求人あり
冒頭からの情報を整理すると、2022年のMR求人は上記3つのポイントにまとめることができます。
製薬会社が早期退職に踏み切ったような直後には、求人が出されることが多くなっています。
とても短期的に出される求人にはなりますが、かなり好待遇であることも知られています。
また、上記でもお伝えした通り、オンコロジーMRの求人は増加傾向にあります。
時折、未経験者の求人も見つけることができることから、こまめに求人チェックしておく必要があります。
コントラクトMRについては未経験者でも採用されやすいですが、近年、高報酬・好待遇のコントラクトMR求人も見かけることができます。
そのため、製薬会社のMRからコントラクトMRへの転職も増えている状況です。
このいずれのパターンにおいても、高報酬・好待遇の求人においては、かなり早期に打ち切られている現状があります。
そのため、MR業界に精通したキャリアコンサルタントに相談しておけば、求人が出た時点で速やかに教えてもらうことができます。
「MRはやめとけ」という周囲の声にまどわされることなく、少し汗をかいてでも自ら情報を取りに行くことが重要と言えます。MR求人に特化した求人サイトに無料登録すれば、業界を知り尽くしたキャリアコンサルタントに相談することができますから、いくつか登録を済ませておくようにしましょう。
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