コロナ禍で激変するMR転職事情~在宅リモート専門の「リモートMR」とは?
MRの業務は、従来の営業方法からリモート営業中心へと変化しつつあります。
2021年5月現在においても関東と関西を中心に新型コロナの蔓延はおさまりを見せず、ワクチン接種が進まない状況ですので、MRのリモート営業は今後ルーティン業務となるのかもしれません。
ただ、今まで従来の営業方法で取り組んできたMRにとって、デジタル化に戸惑いを見せている方も少なくありません。
しかし、中高年職員に対する早期退職やリストラが進んでいる中で、今後もMRとして活躍していくには、このデジタル化の波にうまく乗ることが必要であることは間違いないでしょう。
というのも、製薬会社はデジタル営業を推進しており、「在宅リモート専門のMR」の求人が現れているからなのです。
ここでは、コロナ禍のMR転職事情と題して、製薬会社のデジタル営業の取り組み、「在宅リモートMR」について詳しくお伝えしていきます。
リモートMRの現状~三和化学の取り組みをご紹介!
コロナ禍で営業方法が見直されることになったMR業界ですが、いつまでも終息しない中で、リモートを中心とした営業方法を確立しようとする動きが見られています。
ここでご紹介する三和化学は、1953年設立の製薬企業であり、「健康創造」のスズケングループとして、医薬品などの研究開発や製造販売に取り組んでいます。
主に、生活習慣病の改善に寄与できる新薬の開発、ジェネリック医薬品の提供が行われています。
リモートMRに対する積極な取り組みが行われていますが、このような動きを見ることで今後のMRの在り方を学ぶことができるでしょう。
三和化学が推進する「Hybrid(ハイブリッド)型MR」とは?
三和化学では、リアルとデジタルを融合させた「Hybrid(ハイブリッド)型MR」の育成の取り組みに着手されています。
「Hybrid(ハイブリッド)型MR」とは、聞きなれないキーワードではありますが、リモートによる営業スタイルを中心としたMRを確立させたものです。
現状においても、リモート営業が中心になっている製薬企業は多いですが、あくまで暫定的な対応で、ワクチン接種が進み感染がおさまりを見せれば、今まで通りの営業スタイルに戻るのではないかと考えているMRも多いでしょう。
ただ、製薬業界全体においては、リモート営業になったからといって、収益に大きな差が生じないことは周知の事実です。
また、ワクチン接種が進んだからといって、すぐに訪問自粛が解禁になる訳ではないでしょう。
そのような状況を踏まえ、三和化学では暫定的な対応としてリモート営業に取り組むのではなく、「デジタル営業推進部」を設置して、リモート営業を定着させることを目的としています。
リモートMRが所属する「デジタル営業推進部」とは
「デジタル営業推進部」は営業本部に新設される部署であり、Hybrid(ハイブリッド)型MRを推進するための重要な部署であると考えられています。
2020年の新型コロナの蔓延によってリモートワークが余儀なくされましたが、どのように営業活動を行えばいいのか、手探りであった企業がほとんどでした。
しかし、それほど収益に大きな影響がないということが判明したために、リモート営業を強化しようとする企業が増えたのです。
三和化学においてもその中の一つですが、リモートMRとして営業スタイルが確立できるように、デジタルコンテンツの拡充や現場サポート体制が充実していることが特徴です。
デジタルツールを活用して、リモートワークによって医師や薬剤師に適切な情報提供を行い、またリアルな面談も併用しながら、コンタクトの強化を図ります。
また、同社には「マーケティング部」も新設されることになっています。
「マーケティング部」では、顧客のニーズや市場の状況などを分析・予測しながら、戦略的な取り組みを図っていく方針が発表されています。
リモートMR強化の動きにどう対処すればいい?
冒頭から、MR営業のデジタル化に取り組む三和化学についてご紹介しましたが、長引くコロナ禍の状況で、このデジタル化はさらに拍車がかかっていることは間違いありません。
恐らく今後は、MRの多数がリモート営業中心になると言っても過言ではないでしょう。
従来型の営業方法を取っていたMRであれば、営業でのパフォーマンスが低下してしまい、今までのような提案をするにはどうすればいいのかと感じているのではないでしょうか。
MR業界のデジタル化は必ず進んでいく
何度も言うように、これからのMR営業は電子メール、ウェブ会議、電話などを積極的に活用したものへと変化していきます。
対面における営業方法でしか、自分自身のパフォーマンスを発揮できないと感じているMRは少なくないでしょう。
しかし、このような状況が以前のように戻ることはないと考えて、「デジタルコンテンツ」「デジタルツール」の活用方法を熟知しておく必要があります。
さらに、どのようにリモート面談をすればうまく営業を行うことができるのか、リモート営業のスキルを磨いておくことも重要になります。
そのため、コンタクト手段となる医師のメールアドレスなどの「リード」を獲得することが不可欠となってきます。
医師自身はかつてのようにMRの情報提供に頼ることはなく、インターネットによって情報収集することが多くなっています。
だからこそ、MRにおいてもデジタル化にシフトチェンジしていくことが、今後MRとして活躍し続けていくために重要なポイントになります。
デジタル化にシフトチェンジしたMRは強い!
例えば、製薬企業大手の武田薬品では、営業部門に「デジタルリード」と呼ばれる営業チームを配置しており、デジタル戦略を成功に導くための戦略に取り組まれています。
MR業界においては、コロナ禍においてテレワークを経験した割合が98%にも昇っており、リモート面談においては89%と高い割合になっていることが分かります(
ミクスオンラインの調査データより
)。
ただ、そのような状況の中で、20代~30代の若手MRでのリモートワーク率は高いものの、40代~50代では割合が低くなっていることも分かっています。
どうしてもデジタル化の波についてこられず、在宅勤務やテレワークに不安を感じている状況が見て取れます。
しかし、このような状況でも対応できる柔軟性を持ち合わせているMRが、今後も活躍できることは間違いないでしょう。
コロナ禍のMR転職は「リモート営業」がカギに
コロナ禍でのMRの転職活動は、今までとは違い「リモート営業」がカギになっていることが分かります。
上記でもお伝えした三和化学がその例ですが、武田薬品やファイザー、イーライリリーなどの製薬大手も積極的にリモート営業を推進していることが分かっています。
そのため、デジタルコンテンツやデジタルツールの扱いに長けており、しかもうまく医師のニーズを掴んでリモート営業をインサイドセールスの手段として活用できる人材が求められています。
今までのように愛想をふりまく営業トークではなく、論理的な思考や合理的で再現性の高い営業トークが求められていると言えるでしょう。
そのようなMR転職の事情について詳しくお知りになりたい方は、MR転職の事情に詳しいキャリアコンサルタントに相談することがおすすめです。
MR転職に特化したキャリアコンサルタントであれば、どのような人材が求められているのか、どのようなスキルが求められているのか、ピンポイントで把握しているからです。
まとめ
コロナ禍でMR業界は激変し、在宅リモート専門の「リモートMR」が増えつつあります。
今後、MRに求められるスキルは、製薬に関する知識や営業トークだけではなく、デジタル化に対応できる「ハイブリッドMR」であると言えるでしょう。
特にデジタル化の波に乗り切れていないMRであれば、そのようなスキルを磨いていくことが必須です。
転職を検討している方であれば、MR転職に特化した転職エージェントに無料登録してみて、事情に詳しいキャリアコンサルタントに相談してみるといいでしょう。
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