「リモートMR」とは?今後MR営業はすべてリモートになる?リモートMRになるには
新型コロナウイルス感染症の影響によって、医師との面談をリモートで行う機会が多くなりました。
この影響が一時期のものであれば、以前のような営業形態に戻っていたのかもしれませんが現在の状況をみていると、もうかつてのように戻らないような気がしています。
そのため、MRに求められるスキルも、医師との直接面談によって接待漬けにしてしまうようなことはもはや不可能でしょう。
必要な情報をピンポイントで提供できる「リモートMR」が求められていくのです。
少しずつ「リモートMR」という言葉も定着してきたかのように感じますが、これからのMRは高いリモートスキルが求められるでしょう。
ここでは、リモートMRの状況について詳しくお伝えし、どのようなスキルが必要となるのか、どのような情報提供を求められているのかご紹介しましょう。
「リモートMR」とは?今後MR営業はすべてリモートになる?
「リモートMR」とは、MRの新しい働き方として注目されているもので、MRと医師などがWEB画面を通じて双方向に対話しながら薬剤に対する情報提供を行うというものです。
離れた場所にいる医師に対して画面上で資料を共有しながら説明を行う特徴を持っていますが、医師に対する情報提供や質問に対する回答などは従来のMRと変わりません。
現在、減少傾向にあるMRですが、その一方で担うエリアは増えている傾向にあります。
つまりリモートによって効率よくMR営業を行い、今までカバーできていなかったエリアや医師までもコミュニケーションを図ることができる可能性があるのです。
ただ、効率よく営業を行うには、今までの薬剤スキルだけではなく、リモートのスキルも同時に求められることになります。
今までのような営業方法では通用しなくなりますので、リモートMR独自に必要なスキルを身につけておくようにしておかねばなりません。
医師で増えているリモートMRの活用
新型コロナウイルス感染症が蔓延する以前でもリモートMRは存在しましたが、リモートを活用する医師はそれほど多くありませんでした。
2019年においては、医師全体の1割程度に留まるということが分かっており、医師の専門分野によって利用率に大きな差があることも分かっていました (ミクスOnline調べ)。
この調査は2017年から行われているものですが、2019年までの3年間では利用率にそれほど大きな差は見られません。
しかし、2020年の新型コロナウイルス感染症の影響によって大きく変化がみられ、製薬会社でも積極的にリモートMRサービスを導入するようになっています。
というのも、MR数が減少している中でMRのスキルが必要ではないかというと、病院やクリニックの医師は必ずしもそのようには考えていないからです。
実際、MRから直接話を聞きたいと考えている医師も相当数存在すると言えるのでしょう。
伊藤忠商事が提供する医薬品情報サイト「ヤクジエン」とは
伊藤忠商事が運営している医薬品情報サイト「ヤクジエン」がありますが、そこでは医薬品に関するさまざまな情報を提供しています。
このヤクジエンでは、医師が直接アクセスすることで、さまざまな医薬品の成分や特徴を知ることができます。
医薬品は成分が同じのものでも、その特徴が異なるようなこともあります。
それらの医薬品を比較することができるように、表を作成するようなことができるサービスも提供されています。
そのため、患者さんにあった薬選びの参考とすることができるのです。
また、特徴の一つに、リモートMRの利用が可能だということが言えます。
申込みをすれば実際に製薬会社のMRとリモート面談することができ、必要な薬剤の情報提供を受けることができるのです。
このサービスには製薬会社が数社登録されているようですが、今後10社程度まで広げられることが発表されています。
ちなみに現在登録されている製薬会社は「武田薬品工業」「エーザイ」「大日本住友製薬」となっています。
「ヤクジエン」でのリモートMRの活用方法
「ヤクジエン」においてリモートMRをどのように活用するのか、MRとしても知っておいた方がいいでしょう。恐らくこのようなサービスは今後多くなるはずですから。
2021年7月現在では提供範囲がかなり限定されており、対象となっている薬剤リストの中から医師が選択して、オンライン説明を受けるといった流れになっています。
つまり、MRから直接医薬品の営業を行うのではなく、医師が必要としている薬剤の情報提供を行うというものになっているのです。
対象となっている薬剤には、大日本住友製薬の「ラツーダ錠」、エーザイの「デエビゴ錠」、武田薬品工業の「アジルバ錠」などがあります。
これらの製剤リストの中からチョイスして申し込むだけという、医師からするととても利便性の高いサービスであると言えます。
薬剤の説明に要する時間は10~15分程度であり、もちろん利用料は無料となっています。
リモートMRは今後どうなる?リモートMRになるには
リモートMRは今後どのような動きを見せるのか、気になっている方も多いでしょう。
ただ、新型コロナウイルス感染症の経験から、リモートMRの需要は拡大していくはずです。
今後の動き、またリモートMRになるにはどうすればいいのかお伝えしていきます。
リモートMRは今後どうなる?
恐らくこれからリモートMRは増えてくることになるでしょう。
実際、各製薬会社の動きをみていると、「リモート枠」としてMRの採用に踏み切っている状況が見受けられます。
製薬会社としては、MRとしてのスキルを有していて、しかもリモートに長けている人材を集めることができますし、また通常のMRよりも人件費を抑えられる効果もあります。
採用されるリモートMRにおいても、自宅からのリモート勤務が可能で、決められた営業だけに限定されるために残業がほとんどないというメリットがあります。
多くは派遣社員や契約社員といった雇用契約が多いのですが、製薬会社の正社員としての募集も見つけることができました。
仮に派遣社員や契約社員であるとしてもMRの経験を積むことができますので、今後、製薬会社などへの転職の道が開けることになります。
リモートMRになるには
いくつかのリモートMRの募集案内をみていると、要件は下記のようなものが掲げられています。
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MR認定証(医薬情報担当者)を所有している
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MR実務経験がある(2~3年程度)
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基本的なOAスキルやリモート勤務経験
MRの実務経験が必要にはなりますが、採用はそれほど高いハードルではありません。
契約社員の場合であれば、400万円前後で提示されているものをいくつか確認することができ、正社員であれば600~700万円と提示されているものも見受けられます。
MRとしては高い報酬とは言えないかもしれませんが、結婚や出産などで離職したような場合であれば、在宅でのリモート勤務なら可能になるのではないでしょうか。
リモートMRの求人のことなら、MR業界に詳しいキャリアコンサルタントに相談してみるといいでしょう。
MRに特化した転職エージェントに属していますので、リモートMRの採用状況においても知り尽くしています。
登録や相談は無料となっていますので、うまく活用するといいでしょう。
まとめ
リモートMRの情報についてお伝えしました。
手探りだったリモート面談も、これからはさらに活発化するのは間違いないでしょう。
上記でもご紹介した伊藤忠商事の医薬品情報サイト「ヤクジエン」のようなサービスも、これからどんどん増えることになるでしょう。
医師や病院にとって利便性の高いリモート面談ですから、リモートでの営業スキルを身につけることは、これからのMRには避けられません。
リモートMRの情報や、またリモート面談で必要なスキルについて知りたい場合には、MR転職に特化したキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
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