薬剤師復職支援プログラムとは?薬剤師としてブランクのあるMRでも復職できる?!
薬剤師からMRを目指すという方は多くいらっしゃいます。
近年では、もともと薬剤師だったMRが、薬剤師への復職を目指すというケースが増えてきました。
しかし、ここで問題になるのが、
「経験はあるものの、薬剤師の仕事ができるのだろうか…」
といったもの。
ブランクが長すぎて、復職するのが怖いと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、薬剤師業界では、このようなブランクのある方が薬剤師への復職がスムーズになるように「薬剤師復職支援プログラム」を用意しています。
これが、どのようなものなのか、またどのようにすればプログラムを受講できるのか、詳しくお伝えしていきます。
薬剤師復職支援プログラムとは
医薬品の変化は、MRであれば日々の業務の中で十分感じているように思います。
それだけに、医薬品を取り扱う薬剤師の仕事は、新しい薬剤に対するスキルを磨いておかないと与えられた業務に取り組むことができません。
しかし、現実問題として、薬剤師の業務から離れていると、どうしても幅広い薬剤のスキルはどんどん失われていくことになります。
仮にMRとして医薬品を扱う仕事に就いていたとしても、取り扱う薬剤の量はまったく異なります。
このように、薬剤師の業務から遠ざかっている人に対して、資格を活かし、再度業務に就くことができるように「薬剤師復職支援プログラム」が用意されているのです。
薬剤師復職支援プログラムとはどのようなものなのか、詳しくお伝えしていきましょう。
薬剤師復職支援プログラムとは
薬剤師復職支援プログラムとは、結婚や出産、子育てをはじめとして、さまざまな理由で薬剤師業務から離れている方に対して、スムーズに復職できるようにスキルアップするためのプログラムのことを言います。
せっかく薬剤師の資格を持っていても、長い間、業務から離れてしまって今さら戻るのは自信がないという方も多いのではないでしょうか。
そのような方におすすめなのが「薬剤師復職支援プログラム」を受講するということ。
薬剤師のブランクを埋めるために、薬剤に関することや薬機法に関することなど、実務的スキルを高めるために用意されているプログラムなのです。
薬剤師復職支援プログラムはどこで受講ができる?
各都道府県薬剤師会では、定期的に復職のための研修が無料で開催されています。薬剤師として必要な一般的なスキルを学ぶことができます。
現在では、集合研修だけではなく、ZOOMなどを活用した研修を受講することもできますので、なかなか通うことができないという方でもうまく受講することができるでしょう。
研修の受講だけではなく、求人情報などを知ることもできるので、登録しておくといいでしょう。
また、復職支援プログラムは都道府県薬剤師会だけではなく、各病院や薬局などでも独自に開催されていることも少なくありません。
特に薬剤師の人材不足に悩む地域では、積極的に取り組んでいることが知られています。
開催されている病院や薬局などで必要なスキルを磨くことができますので、すぐに実務に活用できるスキルを身につけることができます。
業務内で復職支援を受けられることも多いので、収入を得ながら薬剤師としてのスキルを高めていくことができますので一石二鳥ではないでしょうか。
中には、外部研修などを活用して、プログラムを受講できる場合もありますので、転職する際に復職支援の内容について確認しておくといいでしょう。
薬剤師として復職するために必要なスキルは?
薬剤に対する幅広い知識
薬事法に対する法改正の情報
コミュニケーションスキル
MRがブランクのある薬剤師に復職するために、必要なスキルとして3つにまとめることができます。
では、どういう点に注意しながら、学びなおせばいいのか解説していきましょう。
薬剤に対する幅広い知識
薬学の基本的な知識については、学生時代に学んだものとそれほど違いはないかもしれません。
ただ、医療技術については日進月歩であり、次々と新しい技術が登場していますので、復職前にはしっかりと抑えておく必要があるでしょう。
薬剤師としての業務に関する情報については、日本薬剤師会が発行する「第十四改訂 調剤指針(定価4,800円+外税)」が一番信頼のおけるものとなっています。
調剤についての基本的な情報から、医薬品リスク管理計画(RMP)、お薬手帳 電子版などといった最新の薬剤師業務に関わる情報まで網羅されていますので、必ず確認しておくことが大切です。
薬機法に対する法改正の情報
薬事法は2014年11月に、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、いわゆる薬機法に改正されています。
特に再生医療に関する規定が新設されるなど、近年台頭した新しい医療技術に関する制度へと変更されている点がありますので、復職の際には変更点を抑えておく必要があります。
また、薬機法は一部改正がみられ、2021年8月に施行となりました。
患者さんにとって適した薬局を選択できるように、「認定薬局制度」が開始されています。
認定薬局は「患者のための薬局ビジョン」に対応する機能が求められており、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の2つの機能が用意されています。
また関連した情報として、「働き方改革」の推進のために、有給休暇の消化を義務付けられました。
そのため、今後はワークライフバランスを意識した復職のイメージを持っておくことが大切でしょう。
コミュニケーションスキル
MRであれば、高い営業スキルを持っている方も多いかと思いますが、薬剤師では医師や看護師だけではなく、患者さんやお客さんとのコミュニケーションスキルも求められます。
特に認定薬局の場合であれば、患者さんからの薬剤に関する相談を受けることが多くなったり、地域福祉から情報を求められるようなことも多くなります。
そのため、今までMRとして求められていたコミュニケーションスキルだけではなく、幅広いものが求められることになるでしょう。
かかりつけ薬剤師の機能も高まりますから、コミュニケーションスキルがそのまま、薬剤師としての信頼に繋がることは間違いありません。
MRからブランクのある薬剤師として効率よく復職するには
MRからブランクのある薬剤師として効率よく復職するためには、計画を立てて復職活動に取り組むことが大切です。
どのような復職方法があるのかご紹介しましょう。
週末薬剤師からはじめてみる
いきなり薬剤師として復職するのは自信がないという方であれば、MRの休日を利用して薬剤師のパートをはじめてみることがいいでしょう。
薬剤師は人材不足ということもあり、週1日~週2日の求人もたくさん見つけることができます。
もちろん復職支援のためのOJTなどを用意している薬局や病院もありますので、そのような研修制度があれば安心です。
都道府県薬剤師会の復職支援プログラムを受講する
薬剤師のスキルを基本からしっかりと学び直したいのであれば、各都道府県の薬剤師会が開催している復職支援のプログラムを受講するといいでしょう。
各都道府県の薬剤師会によって開催要項など異なりますが、登録すれば無料でプログラムが受講できるようなところもあります。
また、遠隔授業などを開催している薬剤師会も多くなっていますので、通学の手間を省くことができる場合もあります。
キャリアコンサルタントに相談する
転職エージェントに属するキャリアコンサルタントに相談しておけば、研修制度が充実している薬局や病院を探してもらうことができます。
薬剤師転職に特化した転職エージェントであれば、薬剤師として働くうえで必要な情報をかなり深くまで知ることができます。
キャリアコンサルタントは地域の薬局や病院と常に連携を図っていますので、現場の状況や人間関係まで把握していることも珍しくありません。
また、転職エージェントでは非公開求人も扱っていますので、少しでも有利に転職活動をしたいのであれば、登録しておくに越したことはありません。
まとめ
薬剤師への復職を考えているMRのために、復職支援プログラムについて詳しくお伝えしました。
薬剤師は人材不足を起こしている業界でもありますから、復職するためのプログラムにかなり力を入れていることが分かります。
そのため、かなり昔に薬剤師をしていたという方でも、安心して復職ができるシステムがあるのです。
薬剤師への転職を考えているのであれば、まずキャリアコンサルタントに相談するところからスタートさせてみましょう。
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