報酬ランキング第2位『アンジェス』のビジネスモデルまとめ~転職は可能?MRの求人は?
2021年9月現在、日本の大都市において新型コロナウイルス感染症が蔓延し、緊急事態宣言が発令されています。
そのような中で、各製薬会社においてもワクチンや治療薬の開発に取り組まれている状況が分かります。
国内においてみると「塩野義製薬」や「第一三共」などの大手製薬会社がワクチン開発の名乗りを挙げている中で「アンジェス」の名前を見つけることができます。
製薬会社の中でも「アンジェス」という名前は、一般の方からするとそれほど知名度は高くないかもしれません。
コロナワクチンにおいては「DNAワクチン」と呼ばれる新しいタイプであり、いわゆる「遺伝子医薬」の開発に特化している特徴を持っています。
さらに、先日ご紹介した報酬ランキング第1位 『ソレイジア・ファーマ』に次ぐ、報酬ランキング第2位であることでも注目されているのです。
ここでは、アンジェスの情報をご紹介し、転職情報などについてもお伝えしていきます。
アンジェスの基本情報
2020年の報酬ランキングで第2位を獲得したアンジェス。
平均年収は約1270万円であることが分かっています。
ソレイジア・ファーマが約1500万円超であるために1位との差を感じさせますが、大手製薬会社を抑えて第2位に輝いたことは驚くべきことであるのは間違いありません。
第一三共が約1120万円、武田薬品工業が約1090万円、エーザイが約1030万円であることを見れば、かなり検討している企業であることが分かります。
アンジェスの会社概要
アンジェスは1999年に設立されたバイオベンチャーであり、大阪大学のアカデミア(基礎教室)からスタートし、事業化したバリバリの内資系ベンチャーです。
もともとこのアカデミアではHGF遺伝子(肝細胞増殖因子)の研究を通じた、血管新生作用の成果で注目されていました。
そのため、冒頭でもお伝えした、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発においてもDNAワクチンと呼ばれる新しい遺伝子医薬が特徴となっているのです。
アンジェスは大阪府茨木市に本社を構え、東京に支社、神奈川県には開発センターと研究所を構えています。
従業員は約90人で、従業員の平均年齢は約52歳となっています。
アンジェスの新型コロナウイルス『DNAワクチン』
アンジェスのDNAワクチンについて、どのようなワクチンなのか、またどのように開発して製造する予定となっているのかご紹介しておきましょう。
アンジェスはDNAワクチンを大阪大学と共同開発を進めています。
DNAワクチンとは、接種することによって病原体たんぱく質を体内で生産することができ、性免疫や細胞性免疫が誘導されることによって新型コロナウイルスに感染しにくくなるというものです。
また、重症化を防ぐ効果も期待されています。
ワクチンにはさまざまな種類がありますが、多くは「弱毒化ワクチン」です。
ウイルスの感染性を維持したまま弱毒化したもので、「生ワクチン」と呼ばれることもあります。
アンジェスが開発するDNAワクチンはこのような弱毒化ワクチンと異なっており、病原性がないことが特徴となっています。
大腸菌を用いて製造するために、極めて短期間に供給できることから、緊急事態下において適していると考えられています。
このDNAワクチンはすでに設計は終わっており、製造自体は協力企業であるタカラバイオが着手することになっています。
アンジェスが開発した治療薬
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HGF遺伝?治療?製品(慢性動脈閉塞症)
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NF-κBデコイオリゴ(皮膚疾患全般)
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DNAワクチン(高血圧)
アンジェスの開発した遺伝子医薬品は、先ほどご紹介した新型コロナウイルスDNAワクチンだけではありません。
『HGF遺伝?治療?製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)』は血管新生療法として活用されています。
脚の動脈が詰まって血流が滞ってしまう「閉塞性動脈硬化症」など、血管内治療などが難しい症状に対して活用されます。
HGF遺伝子に作用する治療薬で、新しい血管を作り出すことができます。
こちらの製品は日本国内においては田辺三菱製薬に導出し、国内とアメリカで販売、さらにイスラエルやトルコの製薬会社にも導出しています。
『NF-κBデコイオリゴDNA』はアトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚炎に対する軟膏製剤で、核酸医薬と呼ばれるものです。
デコイとは「おとり」を意味する言葉で、おとりとしてNF-κBデコイを人工的に体内に入れることによって、炎症の発現を抑制するというものです。
塩野義製薬に導出して全世界に向けて提供される予定となっています。
『高血圧DNAワクチン』は高血圧症を対象としたDNAワクチンで、長期間安定した降圧作用を発揮できるワクチンだと期待されています。
1回の治療で長期間の効き目が持続しますので、治療コストが抑えられる効果もあると言われています。
アンジェスのビジネスモデル
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遺伝子の働きを活用した医薬品の開発に特化
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難治性疾患や治療が難しい疾患を対象
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研究開発に特化したビジネスモデル
アンジェスのビジネスモデルの特徴は、「遺伝子医薬」の研究によって遺伝子治療用製品、核酸医薬、DNAワクチンを開発することに特化しているということです。
製造・販売については、他の製薬会社に導出するなどアウトソーシングすることが特徴となっており、先日ご紹介したソレイジア・ファーマと同じような形態を取っています。
恐らく国内のバイオベンチャーはこのような形態の企業がこれからも多くなっていくように感じます。
また将来性が期待されている遺伝子分野に特化していることもあり、今後も注目され続ける企業であると言えます。
しかも、難治性疾患や治療が難しい疾患を対象として、需要が存在しているジャンルに特化していることも特徴です。
遺伝子医薬品を研究開発し、大手製薬会社と販売権を締結することによって一定の収入が得られるというビジネスモデルとなっています。
現在は開発中の医薬品が多いので損失を出していますが、今後は一定規模の成長が見込める企業であると言えるでしょう。
アンジェスに転職は可能?MRの求人は?
上記でお伝えした通り、製造販売についてはアンジェスが行っておらず、あくまで契約を締結した製薬会社のMRによって営業が行われることになります。
ソレイジア・ファーマと同様に、今後MRの配置は考えられません。
現在の求人については、中途採用のみ行われていて、新卒採用は基本的に行われていないようです。
中途採用の職種は「海外臨床開発プロジェクトマネジャー」となっていますので、興味のある方はチャレンジしてみるといいでしょう。
アンジェスは研究開発した遺伝子医薬品を他の製薬会社に導出して販売するビジネスモデルとなっていますが、そのようなことからしてもスキルやコミュニケーション能力などが求められることは間違いないでしょう。
どのような人材が求められているかについては、製薬会社の転職を専門としているキャリアコンサルタントに相談することをおすすめします。
転職エージェントにはこのような企業の情報が集まるようになっていますので、戦略を検討しながら転職活動に取り組むことができるからです。
まとめ
アンジェスの基本情報やビジネスモデルについてご紹介しました。
遺伝子医薬に特化し、難治性疾患や治療法が確立していない疾患に特化して研究開発が行われています。
製造販売は他の製薬会社が行うといったビジネスモデルで、今後もこのような形態のバイオベンチャーは増えるのではないでしょうか。
アンジェスへの転職情報が気になる方は、転職エージェントへの無料登録を済ませておきましょう。
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