MRとして地域医療に関わりたい!MRが地域医療を活性化させるためにできること
「地域医療を支えるのはMRの役目」。
2019年に開催されたとある医薬品情報のフォーラムの中で、パネリストから出た意見です。
地方と都市部の医療格差が問題となっていますが、地域で支える病院や医師、スタッフに対して、医薬品に対する最新情報を提供できるのはMRしかいないという訳です。
現在、地域医療はさまざまな取り組みが開始されており、地域に目を向け、地域に貢献している製薬企業も現れています。
また、そのような取り組みに興味を持つMRも多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の蔓延によりMRの営業方法は激変しました。
「リモートMR」という新しいキャリアが生まれることになりましたが、このリモートによる情報提供によって、地域医療も変わりつつあると言います。
ここでは地域医療に関わりたいと考えているMRのために、地域医療の取り組み、MRとして地方に関わるための方法についてお伝えしていきます。
地域医療の取り組みや期待されていること
地域医療は「医師不足」「看護師不足」「病院不足」という根本的な問題から、医療体制などによる「医療格差」、「医師の高齢化」など、さまざまな課題があります。
実際、病院がないという地域も存在し、救急病院までの距離が数十キロに及ぶことも珍しいことではありません。
高齢化が進む中で地域の過疎化も進み、思うように通院できないという問題も生じています。
そのような現状の中で、どのような取り組みが行われているのでしょうか。
また今後どのように変わっていくことが期待されているのかご紹介しましょう。
周辺医療機関との情報共有
医療体制が充実していない地域においては、救急病院ではない一般病院が、地域住民の医療を一手に引き受けている現状があります。
過疎化が進んでいる地域においては高齢化が進んでいることもあり、高齢者に多い脳梗塞などの脳血管疾患、心筋梗塞などの循環器疾患、転倒などによる骨折などの割合が多くなります。
そのため、街の一般病院であるとしても、そのような疾患に対処できるようにし、地域を担う役割を明確に持っている病院が増えているのです。
医療格差の問題を解決するために、周辺の医療機関との連携体制を強化し、情報共有がスムーズに行えるようになりました。
近年では電子カルテが導入されることによって、患者さんの情報を共有しやすくなり、必要に応じてリモートによるやり取りも行われるようになりました。
このような連携強化によって、医療格差を解消しようとしているのです。
また、医師の「研修指定病院」として、都市部の大学病院から実習の受入れ体制を整える地域の医療機関も増えています。
そのような取り組みによって、医師不足の解消にも繋がっていると言います。
地域包括ケアへの取り組み
地域医療においては、地域において完結ができる医療を提供することに取り組まれています。
そのために重要な仕組みが「地域包括ケアシステム」であると言えます。
地域包括ケアシステムとは、地域住民を医療や福祉、行政、自治会、その他の社会資源によって支えていこうというものです。
地域に存在する「地域包括支援センター」と呼ばれる高齢者を支える機関が中心となって、病院や薬局、地域福祉、役所、老人クラブ、民生委員などと連携を図っています。
過疎化が進んだ地域においても、いつまでも住み慣れた場所で自分らしい生活を営むことができるように、必要な医療や介護サービス、生活支援が届けられます。
早い段階から介護予防に取り組むことができるように、自治会やボランティア、NPO法人などとも協力しながら、カフェやサロン、健康教室などが開催されています。
また、悩みの相談、安否確認、食材の配達なども提供されています。
オンライン診療の拡充
新型コロナウイルス感染症の蔓延が、オンライン診療を普及させるきっかけとなりました。
スマホやパソコンを活用して診察を受けることができ、またかかりつけ薬剤師から必要な薬も届けてもらうことができますので、負担を減らすことができることができます。
ただ、ここで問題となっているのがITリテラシーの問題。
高齢者が自らオンライン診療のための環境を構築することは難しいといった側面があります。
そのような問題を解決するために、地域福祉のケアマネジャーなどがオンライン診療の支援などにあたっているケースも増えています。
また、「ヘルスケアモビリティ」と呼ばれる車両を活用するシーンも見られるようになりました。
ヘルスケアモビリティとは、テレビ電話ができる設備が備わっている車両のことで、この車両で訪問看護師が患者さんのお宅に訪問します。
患者さんは医師とテレビ電話で問診を受けることができますので、通院に対する負担やITリテラシーの問題を解決することができるのです。
地域医療に関わるMRになるために
地域医療に関わる医師は、製薬企業・MRに対してさまざまなことに期待を寄せていることが分かっています。
また製薬企業も地域医療の活性化のために、さまざまな取り組みが行われています。
地域医療がMRに求めていること
現役のMRであれば当たり前のことではあるかもしれませんが、医療技術は日に日に進歩しており、治療法はどんどん変化が見られます。
営業活動に役立てるために、他国の研究データなどに目を通すMRも多いでしょう。
特にオンコロジー領域による製薬企業の取り組みは近年、目覚ましいものがありますので、その情報を幅広く知りたいと考えている地域医療の医師はとても多いのです。
MRの営業においては、エビデンスに基づいて薬剤の提案が行われていますが、特に地域医療においては重宝される情報であると言えるでしょう。
そのため、定期的な情報提供だけではなく、勉強会や研究会などの実施を提案することは、地域医療の活性化に役立つものになることは間違いありません。
リモートMRの存在
大手製薬企業の中に、地域医療に対して積極的に貢献している姿を見ることができます。
例えば、ファイザー製薬においてはMRのリモート面談を積極的に活用しており、製薬企業の中で活用の割合はトップレベルとなっています。
コロナ禍においての営業スタイルが変化したことに伴い、リモート面談の機会はとても多くなりました。
もともとファイザー製薬ではMRの働き方改革に着手されてきましたが、リモート面談を優先させることによって、MR自身の負担も少なくなったことが分かっています。
同じく積極的にリモート面談を行っている製薬企業に武田薬品があります。
武田薬品では「T-MR君」と呼ばれるMR発信による情報サービスを提供しており、ニーズに応じた情報提供に力を入れていることが分かります。
新しい選択肢「リモートMR」として地域医療に関わるためには
リモートMRは、また地域医療の活性化に対して貢献することができ、コロナ禍の中でも情報提供ができる、MRの新しい選択肢であると言われています。
離れた場所からも薬剤に対する最新情報を提供することができますので、地域医療のニーズに貢献することができます。
薬剤に対するスキルだけではなく、コミュニケーション能力やITスキルも求められています。
在宅勤務が進んでいることもあり、MRの新しい働き方であると言えるのではないでしょうか。
リモートMRに興味があるのであれば、キャリアコンサルタントに相談することが一番です。
MRに特化した転職エージェントのキャリアコンサルタントであれば、リモートMRに対する情報にも精通しています。
地方医療に関わりたい、地方医療の活性化に役立ちたいという方でしたら、ぜひご活用してみてください。
まとめ
地方医療は、都市部との医療格差や医師不足などが問題となっていますが、その解決にはMRの存在が不可欠であると考えられています。
特に減少傾向が続いているMRの、新しい働き方、新しい選択肢となるのではないでしょうか。
地方医療に興味がある、あるいはリモートMRとして活躍してみたいと考えているのであれば、MR転職に特化した転職エージェントに登録してみることをおすすめします。
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