薬剤師のやりがいから考える、おすすめの転職先の探し方とは?
「薬剤師としてやりがいを感じながら働きたい!」
薬剤師として働いている方の多くは、薬剤師としてのスキルや資格を活かした業務によって、”やりがいを感じたい”と思っています。
患者さんに対して服薬指導することや、健康相談に応じることによって、患者さんから信頼が得られ直接感謝されれば、薬剤師としてのやりがいに繋がるでしょう。
しかし、それとは反対に、そのようなやりがいを感じられない業務内容であれば、「やりがいを感じたい」と思い、転職を検討することは当然のことでしょう。
そこでここでは、薬剤師のやりがいから考える転職先の探し方について、実際のアンケートデータも活用しながら、ご紹介していきましょう。
転職を検討するなら、どのようなところがおすすめ!?
合同会社スマスタが運営する薬剤師向け転職情報メディア<ハッピーファーマシスト>において、薬剤師100人を対象にして「薬剤師のやりがい」についてアンケートを行い、公表されています。(※PR TIMES「薬剤師がやりがいを感じる仕事内容についてアンケート調査」)
このアンケート調査では、
- やりがいを感じる仕事内容
- やりがいを感じる職場
- やりがいを感じる職場環境
について調査を行っています。
その内容の中で、「やりがいを感じる仕事内容」としてもっとも多かった内容は、
- 服薬指導・薬剤管理
で63%にも達しています。
「やりがいを感じる職場」については、
- 調剤薬局
で42%。
「やりがいを感じる職場環境」については、
- 薬剤師としての職能を発揮させてくれる職場
で46%となっています。
もちろん働く目的によって、自分に会った職場はさまざまであるかとは思います。
ただ、薬剤師のやりがいという観点で見れば、上記の調査結果から「薬剤師としての職能を発揮させてくれる職場」を選ぶことが大切であることが理解できます。
その意味として、「服薬指導・薬剤管理」をはじめとして、薬剤師だから発揮できるスキルを活かせる職場選びが大切であることが分かります。
やりがいから考えるおすすめの転職先
では、上記でご紹介したアンケート調査をもう少し深掘りして、薬剤師がどのような業務にやりがいを感じているのかご紹介しましょう。
そこから見えてくる、おすすめの転職先が見えてきますから。
服薬指導(病棟での服薬指導を含む)や薬剤管理
『服薬指導(病棟での服薬指導を含む)や薬剤管理』は、上記でもご紹介した通り、やりがいを感じる仕事内容として、もっとも多かった内容です。
薬剤師である以上、薬に携わることは、もっとも基本で、もっとも重要な業務であるからです。
特に、病棟や薬局において患者さんにかかわる際には、ダイレクトに患者さんの思いや表情を感じることができますので、「薬剤師をやっていて良かった!」と感じる瞬間でもあるのです。
今回のアンケート調査の中でのコメントに、やりがいを感じた瞬間について、次のようなものがあります。
- 「薬剤師の○○さんだからこんな話が聞けた。」と言われたとき。
- わたしのPHSに連絡が来ること。
- 丁寧に説明したら、涙を流して安心してくれた。
- 薬剤師である私に相談をしたいと病棟で患者さんが服薬指導の時間まで待っていてくれた。
- 異動になることを伝えると色々親切にしてくれてありがとうと言われた。
- 不安な顔で来局した方の表情が安心に変わったとき。
- 薬が嫌いな子供が、剤形変更やメーカー変更、服薬指導で薬を飲めるようになった時。
患者さんは、医師や看護師から説明を受けていたとしても、不安であることが少なくありません。
薬剤師が持っている薬剤スキルによって、患者さんに寄り添うことができたならば、患者さんから信頼され、感謝されます。 それがやりがいとなり、さらには幸せを感じながら働くことができるのです。
そのため、転職先としてやりがいを求めるのであれば、服薬指導や薬剤管理ができる、病院での勤務、調剤薬局、調剤機能のあるドラッグストアなどがおすすめです。
健康相談に応じること
薬剤師として働いていると、患者さんから健康相談を受けることが少なくありません。
薬剤師からすれば何気ない業務のひとつだと感じることもあるかもしれませんが、患者さんからすれば大きな意味を持つことも多いのです。
医師から治療として服薬をすすめられたとしても、自分なりに健康に対する取り組みなどを知っておきたいという方がおられます。
例えば、薬の飲み合わせなど注意点、食生活、適度な運動など、さまざまです。
医師には質問しにくいけど、薬剤師には聞きやすいというケースも多いのです。
調査結果のコメントの中にも、健康相談に応じてやりがいを感じたというものが、たくさん見受けられます。
- 「あなたに相談できてよかった」や「詳しく教えてくれて勉強になった!ありがとう」など、言われるとやりがいを感じる。
- なかなか相談する人がいなくてわからなかったけれど、話せて聞いてもらってよかったなどと言われた。
- 入院中に悩みを相談され細かく説明すると安心され退院された。退院後も外来で会った時に自分のことを覚えていてくれた。
といったものです。
このようなことから、患者さんと薬剤師は信頼関係が結びやすい立ち位置であると言え、業務内容によっては大きなやりがいを感じながら働くことが可能だと言えます。
病院や調剤薬局、ドラッグストアはもちろん、在宅医療・在宅薬剤師を導入しているクリニック、薬局もおすすめです。
在宅医療
介護保険制度が充実し、介護が必要な高齢者でも、在宅での生活が可能となってきたことから、在宅医療の提供シーンも多くなってきました。
特に、新型コロナウイルス感染症の蔓延を機に、訪問医療、訪問看護サービスと共に、訪問薬剤師の存在も、大きくなりました。
介護が必要な高齢者が、いつまでも在宅で生活するには、支援のベースに必ず医療が必要になります。
それは、在宅で生活する高齢者やその家族だけではなく、介護サービスの職員においても実感していることなのです。
特に、薬剤師の存在は、多くの薬を服用している高齢者を支援するために、とても重要だと言えるでしょう。
実際、在宅医療にやりがいを感じるとした薬剤師からは、次のようなコメントが寄せられています。
- 在宅患者の服薬支援を、ケアマネージャーや訪問看護師と相談し合い、コンプライアンスが改善された。
- 在宅医療で医師と往診する際に、薬剤はどれが良いと思うか意見を求められる。
- 診療ガイドラインを参考にどういう薬がどのように使われているかを、医師に伝えて処方に反映されることもある。
- 在宅で患者さん、家族の方の感謝が、通常の業務より大きかった。
在宅医療の場合、医師から処方の相談を受ける機会もあることから、かなり専門性を発揮できる場であると言えるのではないでしょうか。
そのようなことから、在宅に訪問し服薬指導や服薬支援、薬剤管理など、『在宅訪問薬剤管理指導』を行っている医療機関、調剤薬局などをおすすめします。
上記をインターネットから把握することは難しい
上記においては、薬剤師がどのような場面でやりがいを感じ、どのような職場であればやりがいを感じながら働くことができるのかご紹介しました。
しかし、残念ではありますが、どの職場だったら自分にとってやりがいを感じて働けるのか、把握することは難しいと言えるでしょう。
やりがいがあると思って転職してみたものの、「思っていた業務とは違った…」と失敗したと感じる薬剤師も少なくないのが現状だからです。
だからこそ、転職を検討しているのであれば、情報を正確に知ることができる薬剤師の転職に特化した転職エージェントの活用がおすすめです。
キャリアコンサルタントは、病院や薬局、ドラッグストアなどの情報を集め、また、実際に転職した人たちから口コミを集め、それらを次の転職希望者に活かしています。
転職をする際にはエージェントに自分が重視するやりがいが実現できる職場かどうかを積極的に確認しよう
薬剤師として「やりがいを感じたい」と、転職エージェントを活用して転職を考えているならば、その思いをしっかりとキャリアコンサルタントに伝える必要があります。
キャリアコンサルタントも、条件を必ず確認してきます。
ただ、「こんなに細かいことまで伝えていいのだろうか…」と思うようなことでも、後悔しないようにすべて伝えることが大切です。
「やりがい」とひとことで言っても、何を大切にしたいのか、こだわる部分があるはずです。
また、やりがいだけではなく、収入面、休日、スキルアップ、人間関係など、「やりがい」を実現するために大事になるこだわりもたくさんあることでしょう。
キャリアコンサルタントは、そのようなさまざま希望をお聞きして、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
ぜひうまく活用して、薬剤師の業務が天職だと感じられる、職場を見つけてください。