MR経験者が薬剤師を目指すのに忘れてはいけない3つのステップ
薬剤師を目指すMRは増えています。
残念ながらMR数は年々減っており、恐らく今後増えるようなことは考えられません。
業界再編もさらに進み、リモート化も推進される中で、どんどん縮小されていく業界であると予想ができます。
しかし、だからといって他の業界に進むことにも不安を感じるものでしょう。
同じ薬剤のスキルが求められる薬剤師への転職であるとしてもそれは当然のことです。
しかし、MR業界に未来を見いだせないのであれば、やはり薬剤師を目指すことがもっともおすすめです。
MR経験者が薬剤師として成功をおさめるにはどうすればいいか。そのポイントをお伝えしていきます。
MR経験者が薬剤師を目指す重要性
就職よりも退職・転職のほうがパワーがいると言います。
MRが全国的に縮小傾向になっており、転職を余儀なくされる状況にあるとしても、なかなか重い腰があがらないのが退職・転職です。
しかし、冒頭にもお伝えした通り、MRは今後さらに縮小されることになるでしょう。
そのような中でMRが持っているスキルを発揮するためには、薬剤師がもっとも近い存在であることは間違いないのですから。
MRという働き方はなくなってしまう!?
製薬企業は生き残りのために業界の再編が進み、M&Aが繰り返されています。より拡大し、大きな影響力を持とうとしているのです。
そのような中でMRは減少の一途をたどっており、MRという職業は大きく変革の時期を迎えています。
「製薬」という業界がなくなることはもちろんありませんが、MRという働き方はかつての営業スタイルではなく、リモートが主体になっていくのかもしれません。
私たちが何か商品を購入する際や調べものをする際にスマートフォンで検索するように、医師が医薬品情報を知るのもインターネットによるものがほとんどです。
時代の流れは残酷ではありますが、私たちは柔軟に適応していかねばならないでしょう。
MR経験者は薬剤師になることでスキルを発揮できる
MRであり続けることに戸惑いを感じている方は多いのではないでしょうか。
MR業界の大きな変化によって「このままでいいのだろうか」と考えることは不思議なことではありません。
ただ、いざ他の業界に転職するとなると、それはそれで不安であることは間違いないでしょう。
そもそもMRが他の業界でやっていけるのか。
未経験の業界に転職できるのか。
しかし、それが薬剤師であれば、MRのスキルを存分に発揮することができます。
なぜならMRには、
- 薬剤に関する知識が豊富
- 情報収集が得意
- コミュニケーションスキルが高い
といった薬剤師として成功するためのスキルを持ち合わせているからです。
薬剤師になると「収入が下ってしまう」ことにためらいを感じている方も少なくないでしょう。
しかし、これからお伝えする3つのステップに取り組んでいけば、薬剤師として成功し、十分な収入を獲得できる可能性があります。
MR経験者が薬剤師を目指すのに忘れてはいけない3つのステップ
恐らくMRのみなさんの中にはMRを目指しているときに、MRとしてのやりがいや収入に憧れていたという方は多いでしょう。
薬剤師はMRと同様にとてもやりがいのある職業です。これからは医師と関わるだけではなく、ダイレクトに患者さんとコミュニケーションすることも多いからです。
また、収入ダウンを懸念している方は多いかもしれませんが、薬剤師として年収1000万円を目指すということも夢の話ではありません。
そのためのポイントとして、3つのステップにまとめてみました。
順番にご説明していきましょう。
薬剤師として実務経験を積む
大学卒業からMRとして働いてきた方であれば、薬剤師の資格を有しているとしても業務としては未経験であることも多いでしょう。
未経験であれば、転職も難しいと考えている方は少なくないように感じます。
確かに未経験のままでは、高収入を得られることは難しいかもしれません。
ただ、薬剤師は不足している状況であり、需要に供給が追いついていないことから、未経験でも就業可能としている事業者は多いのです。
薬剤師として歩んでいく覚悟が決まっているのであれば、まず実務経験を積むために、MR在職中にパート・アルバイト勤務しておくことをおすすめします。
休日をうまく活用すれば週1~2回の勤務は可能ですし、短時間勤務ならばMRの終業後に勤務することもできるかもしれません。
半年ほど勤務しておけば、すでに経験者として扱われることになりますし、MRとして実績も持っているのであれば転職に大きな武器となるはずです。
未経験者の場合、収入は時給2000円前後であることが多いですが、収入よりも通いやすさ、働きやすさで選ぶと効率よく働くことができます。
マネジメント力をつける
MRを退職して晴れて薬剤師になったのであれば、薬剤師として現場で必要なスキルはもちろんのこと、マネジメント力を高めていくことがとても重要です。
これは今後、自身の薬剤師としての価値を高め、収入アップに繋げていくために必要なことであるからです。
薬剤師としてのマネジメント力とは、端的にお伝えするなら経営者としてのスキルと言い換えることができるでしょう。
勤務している調剤薬局やドラッグストアなどの経営を維持・向上さえるために必要なことは何かを考え、取り組みを行うという能力です。
もちろん自身の薬剤の知識を高め、患者さんから信頼されるコミュニケーション能力が必要です。
同時に従業員も同じようなスキルを持たねばなりませんし、また安定して雇用を獲得していく必要もあるでしょう。
その中で事業の拡大も視野に入れることができれば、もう企業の中で欠かせない存在になるはずなのです。
管理薬剤師を絶対に目指す
上記のマネジメント力をつけるうえで必要になるものが、「管理薬剤師を目指す」ということです。
管理薬剤師とは薬局に配置が義務付けされているもので、従業員である薬剤師を管理し、教育・育成していく職種のことを指しています。
マネジメント力を発揮するためには、うってつけの立場であると言えるでしょう。
管理薬剤師として勤務する場合には、店内や薬局内にある薬剤を適正に管理するというだけではなく、ほかの薬剤師が同じような業務ができるように指導していかねばなりません。
また、患者さんに対して情報をわかりやすく伝え、信頼を築いていけるように育成することも管理薬剤師の役割なのです。
もちろん、薬剤師やその他従業員の求人募集や雇用に関わるようなこともあります。
まさに薬剤師のプロフェッショナルであると言えるのです。
目指すべき理由として、収入の高さにあります。
管理薬剤師の収入 | 薬剤師の収入 | |
保険薬局(店舗数1店舗) | 8,250,804円 | 4,449,514円 |
保険薬局(店舗数2~5店舗) | 8,053,307円 | 4,721,781円 |
保険薬局(店舗数20店舗以上) | 6,780,233円 | 4,891,469円 |
保険薬局(全体) | 7,523,780円 | 4,738,472円 |
「第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告-令和元年実施」をもとに筆者作成
このように、一般の薬剤師と比較すれば一目瞭然です。
これが平均値でありますから、頑張り次第ではさらに収入を増やすことも可能だと言えるのです。
さらに詳しく管理薬剤師についてお知りになりたい方は過去記事「MRから管理薬剤師に転職することはできる?管理薬剤師になる方法や収入を完全解説」に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
薬剤師への転職を成功させ人生を有意義に過ごすために必要なこと
単に薬剤師に転職することは、それほど難しいことではありません。
ネットを検索すれば数多くの求人を見つけることができますし、ハローワークでもすぐに探し出すことができます。
ただ残念ながら、それらの求人は一般的なものばかりで、ハイクラスな求人を見つけだすことはできません。
将来的にマネジメント力をつけ、管理薬剤師として活躍することまで望んでいるのなら、薬剤師転職に特化しているキャリアコンサルタントに相談することがおすすめです。
薬剤師に特化した転職エージェントでは、一般求人では見つけられない非公開求人も登録されています。
非公開求人によって、優秀な人材を獲得しようと考えているのです。
その中でキャリアコンサルタントは、日常的に依頼主の企業や調剤薬局、病院などの担当者とやり取りしていますので、豊富な情報を持っているのです。
これらの情報を活用しない手はありません。ぜひ薬剤師転職エージェントに登録し、キャリアコンサルタントに相談してみましょう。
まとめ
薬剤師に転職したMRの中には、やりがいと共に十分な収入を獲得したという方も少なくありません。
ここでは、MR経験者が薬剤師として成功をおさめるにはどうすればいいか、忘れてはいけないステップを3つのポイントにまとめてお伝えしました。
①薬剤師として実務経験を積む
②マネジメント力をつける
③管理薬剤師を絶対に目指す
これから未経験で薬剤師を目指すということであれば、この3つのステップはしっかりと心に刻んでおいていただきたいと考えます。
また、より良い転職先を探し出し、キャリアをアップさせていくためには、キャリアコンサルタントに相談して決めることをおすすめします。
ぜひ記事を読み返して、新しい一歩を踏み出してみてください。
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